香港デモ戦記 (集英社新書)

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  • 集英社 (2020年5月15日発売)
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若者が政治に関心を持たないのは、国政が上手くいっているからであって、問題とは思わない。こうしたニュアンスが我が国の党首討論で発言されたが、私も基本的には同感だ。民主主義を維持するために、若者が立ち上がる。しかし、実際には、若者は選挙にいかない。別に矛盾している訳ではない。いつでも政治を変えられるという前提の維持こそ重要だからだ。

中国共産党が、香港の選挙に口出しし、体裁は保ちながらも内実は共産党の指定候補者しか立候補不可能。この選挙制度に抗ったのが2014年の雨傘運動で、催涙弾やペッパースプレーの噴射を防ぐ傘がデモの象徴となった。年月流れ、本著はその後の逃亡犯条例を巡るデモを取り上げる。

デモ隊にも民主派、自決派、本土派など、微妙に主張やアイデンティティが異なる点は国外からは見え難い。彼らの敵、理想は何か。中国共産党は、一国二制度の体面を保ちながらも、民主主義を巧みに破壊する。怖いのは、これが台湾を含む党略の成功体験になる事だ。

上海人や広東人は政治よりも商売に関心を向けている気がしてならない。中国共産党でも別に良い。党が司法、軍隊、警察権と分離独立されず、民衆を好き勝手に逮捕して思想教育できてしまうのが怖いのだ。こう言っていたのは私の友人だが、まさに。

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感想投稿日 : 2022年2月27日
読了日 : 2022年2月27日
本棚登録日 : 2022年2月27日

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