私小説だから登場人物も変わらなく、飾りもない。そんな雰囲気が好きで、変わらない事を期待して読み、そして期待通りの空気感を味わえる。そう、期待通り作者は劣悪な性格で卑しく感情的。しかし可愛げがあり、どこか共感できる。だが大抵は、おいおいそこまで言うなよ、という感覚だ。
しかし、この私小説、どこまで実態を再現しているのだろう。作られたキャラだったら嫌だなと思いながらも、私小説を書くからには、主観的に自らの人生を切り抜くに、ここだ、というポイントがあるものではないだろうか。そう考えると、私小説には偽りは無くとも、編集があり、そら勿論、読み手を意識したカットや選別作業があるはずである。そうなればやはり、読み手に対して、こう見られたいという気持ちが働くものだ。この点が、私小説の限界ではないだろうか。というよりも、それも含めて、味わえば良いのだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年2月12日
- 読了日 : 2016年2月12日
- 本棚登録日 : 2016年2月12日
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