ルポ 大学崩壊 (ちくま新書 1708)

著者 :
  • 筑摩書房 (2023年2月9日発売)
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感想 : 23
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今の大学、授業風景はどんな感じだろうか。
崩壊という程、酷いのだろうか。大学の同窓会誌や会報を見る限り、そこに写るキャンパスライフは全く崩壊しているように見えない。本書を読むと破滅的な感じにも見えるが、一部の事象では無いのだろうか。バランスよく見る必要がある。

しかし、共通するのは2004年の大学法人化。これが、失敗だったと大学関係者の多くが語る。法人化によって表向きは国による予算や組織等の規制は大幅に縮小され、大学の自律的な運営が確保されることが謳われたが、実際に行われたの予算の削減。

2022年国際卓越研究大学法も評判が良くない。日本の研究力を強化し稼げる大学と言う触れ込みで、政府が創設した10兆円規模の大学ファンドの運用益によって支援する。政治家や経済界の主導で、大学の私物化や、大学での軍事研究が加速する可能性もあると。

札幌国際大学の問題の背景には、2008年発表した留学生30万人計画がある。留学生を受け入れることで補助金が入ることから、不適切入試が行われた。

若干偏っている気もするが。国の制度が振り回しているようにも思える。退職強要研修を行ったブレインアカデミーというのも初めて聞いた。一部かも知れないが、確かに異常事態は起こっているようだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年4月2日
読了日 : 2024年4月2日
本棚登録日 : 2024年3月31日

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