西洋の自死 移民・アイデンティティ・イスラム

  • 東洋経済新報社 (2018年12月14日発売)
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知ってるつもりではいたが、深刻だ。

日本のウォーギルドインフォメーションプログラムのように、自虐史観を植え付けなくても、西洋に蔓延る贖罪の意識。帝国主義における加害者としての過去。それに加えて、ポリティカルコレクトネス等に代表されるような、差別意識の積極的抑止ムード。そうした、ちょっと大人な態度の欧州に対し、移民たちがやりたい放題だ。日本も決して人ごとではない。

古代ギリシャの哲学者はテセウスの船と言う有名な逆説をまとめあげた。英雄テセウスが航海に使った船はアテネの市民の手で保存されていた。市民は船の部材が朽ちると新たな木材で置き換えた。さて、テセウスが航海に使った部材が全て置き換えられたとしまっても、それはまだテセウスの船なのだろうか。こんな語り口で本著はスタートとする。そう、大量移民により変わり果てた国は、かつてと同じキリスト教の白人国家と言えるだろうか。

一例を挙げる。ソマリア人男性は、デンマーク人男性の約26倍もレイプをした。しかしスウェーデンであれ他のどの国であれ、メディアがこの話題に触れる事はなかった。2015年の大晦日にケルンで大勢の女性が襲われ、ようやくスウェーデンのメディアも事件のことを伝え始めた。ケルンの事件が有名だが、それは氷山の一角なのだ。

考えさせられる。民度の低い移民を差別せずにいかに教育するか、受け入れるべきなのか。少子高齢化による税金、労働者不足の対策として、安易に移民を受け入れてはならない、対策を講じて慎重に対処すべきだという事はよく分かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年6月24日
読了日 : 2023年6月25日
本棚登録日 : 2023年6月18日

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