海底二万里 (集英社文庫)

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本棚登録 : 80
レビュー : 4
ragingriver1959さん 海外SF   読み終わった 

本書は明らかにメルヴィル白鯨の影響を受けている。分類学・博物学にのみ異様に詳しいコンセイユは、白鯨へのオマージュを表現している。
そして、これは形を変えたディストピア小説である。いわゆる知識階級である船長の目的が復讐であることは最後に述べられるが、これまた知識階級でありながら不信感を抱きながらも徐々にノーチラス号での生活に染まっていく教授。粗野な田舎者であるネッドは、必死に自分の生活を守ろうとする。最終的に船長の目的に気づき、絶望する教授。"mobilis in mobili"の銘句は、海中の潜水艦には当てはまるかもしれないが、船長の生き方には到底当てはまらないし、それをピッタリだとした教授の考えも浅はかである。人類憧れの生活(形は違えど)がそこにあったとしても、その目的が虚無であれば人としての生活は成り立たないのである。

レビュー投稿日
2019年2月5日
読了日
2019年2月5日
本棚登録日
2019年1月31日
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