RUN

著者 :
  • ダイヤモンド社 (2007年11月16日発売)
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本棚登録 : 78
感想 : 17
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1977年生まれ、FW。
習志野高校から超高校級ストライカーとして当時アーセン・ベンゲル監督が率いていた名古屋グランパスに入団。
入団直後から得点を重ねる活躍を見せて若い世代の日本代表にも名を連ね、ワールドユースやシドニー五輪予選に出場(柳沢敦や戸田和幸と同世代)。
が、入団数年して結果を残せなくなり、FC東京〜ベガルタ仙台へと移籍するも成績は低迷。
2004年に日本では馴染みの薄いパラグアイ・リーグのグアラニに移籍。
南米最高峰リベルタドーレス杯で得点を記録。
その後はメキシコ(パチューカ、イラアプト)、スペイン2部リーグ(カステリョン、ヌマンシア、ラス・パルマス)とラテンの国々のクラブを転々としながら、06-07シーズンまでの4シーズンで合計44点を稼ぎだす活躍を見せている…

福田健二は、そんなサッカー選手です。
この経歴だけみても、欧州リーグに所属する他の日本人選手とは明らかに違っている。
この本を読んでも、異国の地で闘志をむき出しにして奮闘する彼の姿がまざまざと伝わってきます。
そんな日本人離れしたハングリーさのカギになるのが、彼が少年時代に味わった体験。
小学五年生の時、女手ひとつで彼と兄を育てていた母が突然の自殺。
彼には「好きなサッカーで 世界に胸を張れる 選手になって下さい」というたった三行の遺書だけが残されたのです。
「家族」を知らずに育った男が、妻と娘2人の「家族」だけを味方に見知らぬ土地で闘う、その姿に熱いものを感じ取らずにはいられません。

福田健二という選手のことはある程度以上のサッカーファンでなければ知らないと思いますが、これはサッカーのことをよく知らない人でも感銘を受けることのできる本だと思います。
特に、福田夫妻へのインタビューを交互に配した「二人のキモチ」の章は珠玉。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年1月6日
読了日 : 2008年3月22日
本棚登録日 : 2019年1月6日

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