こわい。
ただひたすら怖かった。。
「ここではないどこか」を求め、夢みることは少なからず誰しもの心にあるものだと思う。
でも。
しかし。。
広瀬と高里では痛烈に「それ」が違った。
その違いが、読んでいるこちらにも容赦なく突きつけられているような気がしてただただ怖かった。
(表現の怖さももちろんありますが…。結構残虐な殺され方をしますしね。)
「面白い」という言葉でひとくくりにするのが憚られるが、作品の世界には間違いなく引き込まれた。
+++++
読後、作者の意図を恥ずかしながら考えてはみた。
「魔性の子」は十二国記のシリーズが始まる前に書かれている。
発刊順に読んだ方が作者の意図でもあるだろうが、私はビビリなため泰麒の話に触れたあとに今作を読んだ。^^;
順番が良かったかどうかは今となっては分からないが、高里の苦悩は相変わらず痛いほどビリビリと伝わってくる。(…とはいってもやはり私こそ「こちら」の世界の人間だから分かってあげることはできないのだろうが。。)
最後の広瀬との痛烈なまでの別れも泰麒としての高里を分かった上で読めたので、痛くもあるが「まっとうだ」と感じた。
それにしてもこんな言葉でしか表現できない自分の語彙力のなさがもどかしい。。
時系列もさまざま、時間を超えて空間を超えて世界がどこまでも広がっている作者の考えは、やっぱり分からない^^;
分からないからこそ、本当に楽しい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小野不由美
- 感想投稿日 : 2016年1月5日
- 読了日 : 2016年1月2日
- 本棚登録日 : 2015年12月31日
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