陰謀の日本中世史 (角川新書)

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本棚登録 : 898
レビュー : 69
著者 :
rakutaさん  未設定  読み終わった 

陰謀論とは、「世の中(又は自分)がこんなにダメなのは、どこかで誰かが邪魔をしていて、それを取り除けばすべてうまくいく」という考え方だと内田樹の本から学んだ。最近のマスク不足にしても、需要超過(供給不足)が原因なのに、誰かが買い占めて高値で売っているのが理由だから転売禁止にすればいい、という考え方も一つの陰謀論だと思う。
本書では、歴史の陰謀論について「誰かがあらかじめ仕組んだ筋書きどおりに歴史が進行した」という取りあえずの枠組みを提起し、保元の乱から関ヶ原の戦いまで、様々な大事件についての陰謀論について、それが世の中に受けていても、事実はそんな単純なものではないということが論証されている。その論証が正しいかを正確に判断する素養は持っていないが、陰謀論の方に証拠不足や論理の飛躍があることは理解できた。
終章に書かれているが、歴史学の陰謀論でも、似非科学でも、専門家は黙殺して関わろうとせず、それがゆえに否定されてないから一般に信じられるという憂うべきことが多い。アカデミズムの人が時間と労力を割いて、こうした陰謀論の否定を解き明かしてくれたことに感謝したい。

レビュー投稿日
2020年5月27日
読了日
2020年5月27日
本棚登録日
2020年5月27日
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