明治二十一年六月三日─鴎外「ベルリン写真」の謎を解く

著者 :
  • 講談社 (2012年7月10日発売)
3.50
  • (2)
  • (1)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 22
感想 : 4
3

明治21年にベルリンで撮影された一枚の写真は、そこに若き日の森鴎外や北里柴三郎が写っていることから、歴史に残るものとなった。しかし、その19人は、当時日本から洋行していたというだけでも、エリートであるが、その後の人生は色々で、多くは日本で然るべき地位に着いたが、中にはドイツに客死し、名を残さなかった人もいる。著者は、その全員を探し当てるとともに、鴎外との関係を中心に、各人の一生を描いてみせた。中々の労作であり、ドキュメンタリーのようでもある。登場人物の多くは、医者であり、また、軍関係者であって、全体的には同質的であるから、一人一人の個性が記憶に残るというものでもないが、鴎外の日記を繰り返し引用することで、鴎外には詳しくなった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年9月13日
読了日 : 2012年9月13日
本棚登録日 : 2012年9月3日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする