プロパガンダ・ラジオ: 日米電波戦争 幻の録音テープ (単行本)

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本棚登録 : 43
レビュー : 7
著者 :
rakutaさん  未設定  読み終わった 

大戦中に米兵向けに放送された「ゼロ・アワー」や東京ローズの本だろうと思って読み始めた。確かに東京ローズも出てくるが、それよりも、正式な外交ルートがなかった日米間で、戦争終結に向けて、放送を通じて相互に腹の探りあいが行われていたという終戦直前の2~3か月の模様が、緊張感もあり、とても興味深かった。たしかに、映画「日本のいちばん長い日」でも、ポツダム宣言に関するサンフランシスコ放送の傍受から始まっており、ここでいうサンフランシスコ放送が対日宣伝放送であるということも分かった。それにしても、アメリカ側の日本研究の深さには感心する。日本国民のほとんどは短波ラジオを持っていないので聴けないが、要人・中枢500人ほどが国論に影響を持っていて、彼らに放送を通じて働きかければ、本土決戦なしに戦争終結に持ち込めるという分析が行われていたなど、驚くほど的確な分析が行われていた。
存命の関係者へのインタビューなど貴重な証言も載っていて面白いが、海外向け宣伝放送を開始するに当たっての経緯や当時の意義付けなどは、報道関係者にとっては重要かもしれないが、ちょっと退屈でもあった。著者がNHKの人なので、放送が戦争や軍といかに関わったかという視点が随所に見えるが、そういう点は類書も多いので、もう少し割り切ったドキュメンタリーにした方が読みやすかった気はする。

レビュー投稿日
2014年11月8日
読了日
2014年11月8日
本棚登録日
2014年11月8日
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