タイトルにもなっている「八月の御所グラウンド」が、ファンタジーながらすっきりする読後感でおもしろかった。謎が深まった時からえーちゃんたちはどうなるのか気になって、ページを早く読み進めたくなったけど、ただみんなで集まって野球を楽しむ、みんなで力を合わせて勝つ、それでいいんだよなぁ、と多聞たちと同じように最後は納得して、いいラストだと思った。

2024年1月15日

読書状況 読み終わった [2024年1月15日]
カテゴリ 小説

上巻以上に、一人一人のコンクールを追っていくごとに、読み進めていく手が止まらなくなる作品だった。これが作中にもあったように、風間塵という才能があって、それぞれの音楽家たちへの活性剤になっていることにも繋がっているのだと思う。上巻ではマサルや亜夜は遠い存在だと感じていたけど、最後には一人の音楽家としてレベルは上がったにもかかわらず、身近に感じられるようになったのも不思議な気持ちになって、その中で高島明石のエピソードにも温かい気持ちになった。ほんと音楽の解釈って、作曲者と演奏者の哲学なんだなぁ、と。また特に下巻は登場する曲すべて、すぐに聞きたくなって、一人一人のエピソードで必ずかけながら読んでいたことが自分にとって印象的だった。

2024年1月4日

読書状況 読み終わった [2024年1月4日]
カテゴリ 小説

ピアノコンクールってどんな感じなんだろう、という好奇心から手に取ってみたけど、4人の音楽家を通して、音楽は哲学なんだと強く思わされた。特に高島明石のパートは、年齢が近かったり仕事に従事していることが、4人の中では自分に比較的近く、より考えさせられることが多かった。ギフトであり災厄とも捉えられる風間塵の音楽ってどんな感じなんだろう…、一度でいいから聞いてみたい。コンクールの行方も気になる…!

2024年1月4日

読書状況 読み終わった [2023年12月29日]
カテゴリ 小説

十字軍・獅子心王・ジョン王・マグナカルタ…など世界史好きなら心引かれる舞台設定の物語で、特にジョン王は世界史の時から国王としてはマイナスなイメージだったので、次第に“義賊ロビン・フッド”になっていく主人公との対比を考えるとおもしろい。森で役人がお触れを出す時、弓矢で返事をする皮肉なシーンなど、その後のロビン・フッドの活躍を想像させて、原作もいつか読んでみたくなる。ラストの戦闘シーンと、たまに入る明るい音楽でコメディ的なところ(みんなで小麦の種を奪うところとか)も好き。エンドロールもかっこいい。

2023年1月8日

読書状況 観終わった [2023年1月8日]
カテゴリ 映画

やっぱり桓騎の読みが的中した戦いとなって、そこは単純にすごい知略だとは思うけれど、大虐殺が許せない。雷土の悲痛な最期の姿を見つけた時に何を思ったのか…、政も桓騎と向き合ったときに何かに気づいたようだし、砂鬼との関係も気になるし、そもそも桓騎って何者なのか、ますます気になる。
自分の復活させた制度に裏切られた政の心境を思うと本当に辛い…。桓騎が言うことも一理あるけれど、それでも人を信じ続ける絶対に曲げない強い意志は、苛烈な戦いが続くからこそ、キングダムと史実とを今後どのように繋ぐか見届けたい。葛藤と苦しみの中で、普段離れていても同じ思いを持つ信と語らい、心の中で感謝する場面が印象的だった。
最後に、史記の記述とも照らし合わせてこの出来事を考察して位置づけているのは作品としてもすごいと思う。

2023年1月3日

読書状況 読み終わった [2023年1月3日]
カテゴリ マンガ

歩兵隊の意地がかっこよかった。最近羌礼との関わりが多い昂だって、泣き言が多かった昔と比べて急に考えがたくましくなっていて、みんなで死戦をくぐり抜けてきたのを改めて感じた。残虐な桓騎軍のイメージが強い分、逆に雷土が敵から拷問にあっているのは驚きもあり、桓騎のことが少しわかったとはっとする場面はすごく気になった。

2023年1月3日

読書状況 読み終わった [2023年1月3日]
カテゴリ マンガ

羌瘣に救われた羌礼が加入するのは少し意外だったけど(ちゃんとごめんなさいしてたし)(げんこつからの諭す信が本当に隊長みたい…!)、少しなんでも生意気なキャラクターが飛信隊でいい味を出すと思う。信と羌瘣の関係性も一歩進んで?二人が可愛い。
六将復活、でもさらに桓騎の戦略が理解できなくて、犠牲がますます増えるのではないかと読むのが怖くなる…。王賁…!それに王翦に声を荒げる蒙恬(「心配してやれって言ってるんだ 家族だろ」)は普段飄々としてるけど、やはり情にあついなぁ。

2023年1月3日

読書状況 読み終わった [2023年1月3日]
カテゴリ マンガ

秦魏連合軍vs楚はあっさり決着…。録嗚未が完全にいじられキャラになっている(笑)
飛信隊が調子出ないのは読んでいても苦しいし、禁術を使ったことで羌瘣の体調がこんなにも戻らないのは今後が心配でならない…。羌礼の悪行に崇原たちが怒るシーンがあって、飛信隊とはどんな隊なのか、信の理想を隊全体でどのように体現するのか、改めて考えさせられた。羌瘣と羌礼の対決が始まり、この一族の負っている宿命を思うと本当に辛い…。

2023年1月2日

読書状況 読み終わった [2023年1月2日]
カテゴリ マンガ

やっぱり転んだままでは終わらない李牧、いくら国内の地位を失ったとしても秦にとって不安が残る…。さらに久しぶりの呂不韋、最後に政に何を伝えたのか…、やっぱり史実でも疑惑が残るあの問題なのか?とか、偽装して放浪に出たことに今後の関わりはあるのかとか気になることが多い。騰・蒙武軍の魏との共闘も始まり、いよいよ趙以外との戦いに期待。

2023年1月2日

読書状況 読み終わった [2023年1月2日]
カテゴリ マンガ

遂にこの時が…!その瞬間の、みんなの爆発的な喜びと清々しい穏やかな表情の信と政の対比がより感動した…!“李信”は史実通りの名前だけど、姓の“李”にそんな事情があったらいいな、とそこはオリジナルだけど思ってしまう、いいエピソードだった。信はどこまでも漂と一緒で、本当に二人で天下の大将軍を目指しているんだなぁ…。
一方で、今回初めて李牧に同情したくなった。王一人の存在でこれだけの才能があるのに不遇すぎる…。自分の活躍の場を求めて諸国を渡り歩くこの時代に、なぜそれでも趙に居続けるのか、描かれた過去のエピソードにいたるまでや、話に出てくる雁門のエピソードから知りたいと思った。
あとは今巻の冒頭だけど、鄴攻略の最後にここで斉が来るか!とそこも密かな興奮シーンだった。

2023年1月2日

読書状況 読み終わった [2023年1月2日]
カテゴリ マンガ

遂に龐煖との対決が終結…!生きている仲間も、志半ばで死んでいった仲間も、そして敵の思いさえも乗せた信の一刀に痺れた。でも心臓が動いていないことがわかった場面はショックだった…。信の死という絶望の中で必死に呼びかける飛信隊と一緒に、なんで、と声に出したくなった。何度も信を助けてくれた羌瘣が命を投げ出してまで救おうとしてくれたことに胸を打たれた。それに命が本当に尽きる前の漂との会話や、松左と去亥が羌瘣を助けに来てくれたことも泣きそうになったし必要なシーンだったとは思う。だけど、はっきりと死を認識させて、さらに禁術を描くことには少しなんでもありな印象も受けた…。今後も死闘を繰り広げるであろう信がどう描かれていくか、見届けたい。

2023年1月1日

読書状況 読み終わった [2023年1月1日]
カテゴリ マンガ

「助けに行かねば…父を」自分の怪我をおして助けに行く王賁、馬南慈と対峙する蒙恬、そして龐煖と激闘する信、やはりこの3人の見せ場それぞれに読んでいても力が入る。弓矢兄弟の必死な戦いも心打たれたし、羌瘣の戦いにも圧倒されて、ぼろぼろな姿に泣きそうになった。
だからこそ今巻は、まったく総大将らしくない(と今までの熱い武将が好きだからこそ勝手に思ってしまった)王翦の態度や、急だった去亥の最期、そしてやっぱり龐煖が許せない。どんなに李牧の言うように人の代表で道を求めているのだとしても、それは納得できない。そんな龐煖に王騎の意志を継ぎ、みんなの思いを乗せた信が負けるはずがない…!

2023年1月1日

読書状況 読み終わった [2023年1月1日]
カテゴリ マンガ

奇跡の復活を遂げた王賁による尭雲撃破…!若い三隊の活躍がほんとうに凄まじい。いよいよ王翦と李牧の対決が始まり、そこにどうやって信たちが絡んで活躍してくれるか、満身創痍だけど期待が高まる。

2023年1月1日

読書状況 読み終わった [2023年1月1日]
カテゴリ マンガ

この巻は辛すぎる…。飛信隊も楽華隊も犠牲を出さねば勝てないほどの大戦ということは承知しているけど、それでも辛い。松左はいつも飄々としている分、干斗たちにとばした熱い檄に泣きそうになった…。ずっと「頑張れ 信」って、いつも信が強敵に挑む時はそう願って戦ってたんだろうなぁ…、と思うと胸が痛くて、最期に信と抱き合うシーンで読めなくなってしまった。信がみんなの思いを乗せて趙峩龍を倒せてほんとうによかった。じぃ、こと胡漸副官のことも、蒙恬の気持ちを考えると辛い。本当に蒙恬のことを愛してくれてたし、蒙恬もちゃんとわかってるし、その信頼が回想のほんの数コマでも伝わってきて、過ごしてきた時間と思いを感じた。でもここで龐煖に襲わせる意味があったのかな、と嫌な気持ちにもなった。意志が自分勝手だからか、どうしても龐煖だけはキングダムの人物の中で好きになれない…。
そして在りし日の王騎軍の回想がちょっと可愛くて好き。

2023年1月1日

読書状況 読み終わった [2023年1月1日]
カテゴリ マンガ

一歩踏み出す年齢も、それまでの経歴も、挑戦するには難しい環境も、全部飛び越えてなんとかしてしまう力は、その時点で普通の“給食のおばさん”ではないなぁ、と思う。今までやってきた自負を持てるかどうかもチャレンジには大事だと思う。
それにブータン人の食生活が意外と不健康に繋がっていることに驚いた。所々入る作った料理のイラストが美味しそう!

2022年12月27日

読書状況 読み終わった [2022年12月27日]

縁結びに関して絶対的な力を見せた神様が、人間らしくノルマや昇進に気を遣ったり、地震に勝てなかったり、でも人の成長や思いを信じてくれているところに少しほっこりできる話だった。

2022年12月25日

読書状況 読み終わった [2022年12月25日]
カテゴリ 小説

ここにあげられている作品は読んだことがなく、さらに普段読まないジャンル(女性が主人公だったり恋愛に関わるものだったり)で特に日本文学はきっと自分なら手に取らないものが多かったが、柚木さんのコメントで作品の雰囲気を楽しめた。作者の好みもあるが、もっとより多くのジャンルの書評が読みたいと思った。

2022年12月25日

読書状況 読み終わった [2022年12月16日]

サコ学長のことはどこかのタイミングで見聞きしていたが、マリってアフリカのどんな国だっけ?から本を手に取り、「何でやねん」といった日本語(関西弁)の流暢さに驚き、とにかく後半の日本や教育に対する提言に深く納得した。特に、日本は学校に任せすぎていることや、学生には自由な時間もなければ、だがらこそ自由を与えられるものとして考えていて自分で勝ち取っていくものと思っていないことについて、まさにその通りだと思う。思いがけず中国へ留学し、日本人が気になって来日という珍しい経験をして、価値観や持ち前の鋭い考察をつくりあげていったサコ学長のその考えをもっと知りたい。
内田樹さんの解説も、サコ学長の提言の後でしっくりきた。

2023年1月8日

読書状況 読み終わった [2022年12月11日]
カテゴリ 教養

鹿が話す、目またはサンカクという謎に包まれたものを奪われた主人公の顔が鹿になる、野性的魚顔…、どういうこと?と思うとにかく一癖ある設定と個性的な登場人物と、それだけでおもしろいけど、狐の使い番やサンカクを奪った犯人、堀田の存在など一つ一つの謎を推理しながら追いかけると楽しくて、どんどん物語が進んでいった。思っていたよりリチャードの小者感だけが少しがっかり。読むととにかく奈良へ鹿に会いに行きたくなる作品。

2023年1月8日

読書状況 読み終わった [2022年11月22日]
カテゴリ 小説

言葉は不完全なもので、だからこそ受け取り手はあれこれ解釈で埋めて理解することに、まさにその通りだと共感する。言霊という言葉には意識がなかったので新鮮だった。

2022年12月25日

読書状況 読み終わった [2022年11月12日]
カテゴリ 教養

小説は何作かは読んだことがあったけどエッセイは初めてだったので、三浦しをん節の強力さに驚いた。結構さらけ出しているところにおもしろいながら、大丈夫ですか…!?とつっこみを入れたくなるエピソードたちだった。

2023年1月8日

読書状況 読み終わった [2022年11月9日]

トルコのエルドアンがイスラーム色を強めていることが、以前アヤソフィアのモスク化のニュースの時に挙がった時に、宗教色が強まることへの懸念を感じた。しかし中田さんの考えを読んで、国家がイスラームであることで社会が守られるメリットを実感することもでき、もちろんイスラームだから全肯定されるというわけではないが、やはりヨーロッパ的価値観だけなのも上手くいかないし、偏りすぎることの危険性を深く考えさせられた。

2022年12月25日

読書状況 読み終わった [2022年10月23日]
カテゴリ 教養

MoMA、と聞くと一時『ゲルニカ』が避難していた場所という印象が強いが、この本での収穫は『クリスティーナの世界』。もし何も知らずにこの絵に向き合ったら自分では良さを感じ取れなかったかもと思うけれど、「中断された展覧会の記憶」で3.11が題材になっていて、その中でこの作品と向き合うと、より強くメッセージを受け止めることができる。やっぱり芸術は価値のあるものだし、それに深みを与えてくれる原田マハさんの小説はすごい。

2022年10月20日

読書状況 読み終わった [2022年10月20日]
カテゴリ 小説

自分の知らないところで誰かを助けている、それがこの作品のモチーフだけど、それってすごい勇気が出ること。門倉課長のどんでん返し(…と個人的に思っているだけだけど…)が伊坂さんらしくて好き。
そもそも企画に毎年伊坂さんが連作短編をつくる、って贅沢すぎる!

2023年1月8日

読書状況 読み終わった [2022年10月10日]
カテゴリ 小説
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