井上ひさしの「後藤君の話」(東京から学童疎開で山形へやってきた後藤君は、卒業式のために東京へ戻った3月、東京大空襲で亡くなった)、加藤周一が述べていた「国家が主張する善し悪しは、10年もすれば逆転します」を紹介した部分、それから澤地久枝の「人は誰も、変わる可能性がある」、自分も若い頃には加藤周一のいうことに聞く耳をもたない若者だったが今こうして九条の会にいる、若いひとに伝える方法、手をつなぐ方法を探っていきましょうという話が、印象に残った。
「加藤周一がのこした言葉」が巻末にいくつか引かれている。
▼…憲法がなければ、その現象はおそらく起こらなかったろうということを言わなければ、その現象が憲法によることだとは言えない。憲法がなかったら何が起こるかということを考える必要があるのです。(p.56、もとの文章は『憲法九条、いまこそ旬』に収録されているとのこと)
矢島翠の夫が加藤周一だというのも初めて知った(矢島翠は、マヤ・アンジェロウの自伝『歌え、翔べない鳥たちよ』の訳者だ)。
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- 感想投稿日 : 2010年4月9日
- 読了日 : 2010年4月9日
- 本棚登録日 : 2010年4月9日
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