献本企画でもらった一冊。枕元に積んでいて、寝る前にちょっとずつ読んだ。
読んでみたかったのは亀井宏の「将兵たちが語った戦争の真実」。
将兵たちを取材し、話し続ける相手を聞いて、原稿を書いてきたそうだ。戦時から20年余り経ってからの取材(この本は昭和40年代の取材にもとづく仕事だ)では、記憶の問題もあったという。亀井はそのあたりをこう語っている。
「記憶違いというか、自分に都合よく記憶が組み替えられているというか…。それでも、私の主観による取捨選択をあえてしなかったのは、あの時代の日本人がどういう考え方をしてあの戦争に対処したのかを、ありのままの証言から理解してほしいと思ったからです。判断はすべて読者にまかせようと考えたのです。」
この「記憶違いというか、自分に都合よく記憶が組み替えられているというか」のあたりが本作でどのように書かれているのか、まだ読んでいないので分からないが、それをあえて取捨選択せずに「判断はすべて読者にまかせようと考えた」という点は、本とともに記録されているだろうかと思う。
いつか「記憶違いというか、自分に都合よく記憶が組み替えられているというか」の部分を、後世の人間が「これこそが真実だ」と言い出すことはないかと、そんなことが気になったりした。
読んでみたかった記事以外もすべて読んでみて、「『せめて昼メシ』講座」がかなりおもしろかった。
それと、全く読んだことのない書き手だが、巻頭特集の「湊かなえの原点回帰『リバース』への道のり」を読んで、誌面にきっちりと収まる字数にまとめてあるのがスゴイと、そんなところに感心した。
- 感想投稿日 : 2015年8月9日
- 本棚登録日 : 2015年8月9日
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