チェックリストは、言ってしまえば、脳の機能のアウトソーシングだ。
100%完璧な状態で、人間が実行することをリストアップしておく。
そうすれば、状態が80%でも、100%と同じ行動が取れる。ポカミスも減る。
そして、これから何をするのか、あれやったっけ、と心配する認知コストの節約も生まれる。
サブタイトルの
「ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!」
が意味することはそういうことだ。
なかなかシンプルな考え方だとは思うのだが、どうにもチェックリストに「嫌悪感」を感じる人もいる。
多分チェックリストを使う事が、自分が80%の状態になる可能性を肯定してしてしまうという認識によるかもしれない。
「俺はいつだって完璧にやれる」、というやつだ。
しかしながら、大半の人にとってそれは幻想だ。
人の状態は、簡単に変化するし、そもそも記憶ほどあてにならないものはない。
本書は「チェックリスト万能論」を謳う本ではない。チェックリストを使うだけで、仕事がすべてうまくいくなら、世の中の問題はほとんど解決しているだろう。
ただし、それを使うことで、「ずいぶんマシ」になることは多い。
状況に合わせて、適切なリストを使うこと。これは積極的に推奨されて良いのではないだろうか。ただし、「適切なリスト」は、それほど簡単には作れない、という点は忘れない方が良いだろう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
本・雑誌
- 感想投稿日 : 2018年10月9日
- 読了日 : 2011年6月25日
- 本棚登録日 : 2018年10月9日
みんなの感想をみる