星を継ぐもの (創元SF文庫)

4.12
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本棚登録 : 9493
レビュー : 1160
制作 : 池 央耿 
ratsさん SF   読み終わった 

素敵。
謎解きの喜びを心ゆくまで味わえるハードSF。
まさにサイエンスでフィクションな一冊。

月面で見つかったのは五万年前の死体だった!……というでっかい謎だけでもうわくわくが止まらないのだが、この作品の真髄は謎を解明していくプロセスそのものにあると思う。
調査により得られた事実から仮説を立て、それを検証し、さらにその結果に基づいて論理的考察を行う。そう、がっつり「科学」してるのだ。各学問分野の研究者たちが力を尽くして少しずつ真実を明らかにしていく、その過程がたまらなく刺激的なのである。かちり、と音を立ててピースが嵌る瞬間の静かなる興奮。

疑問がひとつ解消するたびに、新たな疑問が現れる。知れば知るほど分からなくなる。そうして積み上がった壮大な「?」がラストに一気に解き明かされる様は、圧巻の一言。著者の発想と構成力には脱帽です。

知的好奇心。想像力。そしてロマン。
「知る」ということ。
SFは人間が描けていないなんて言い方をされることもあるけれど、これほど人間的なものは他にないんじゃないかな。

センス・オブ・ワンダー。

レビュー投稿日
2012年3月2日
読了日
2012年3月2日
本棚登録日
2012年2月28日
4
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『星を継ぐもの (創元SF文庫)』のレビューへのコメント

抽斗さん (2012年3月3日)

私もこの本、大大大好きです。
この本の謎解きのプロセス、本当に感動的ですよね・・・!! 人類の夢とロマンと意地、そして未来に対する希望。ただの謎解きでなく、その謎解きのプロセスにわくわくするようなものがたくさん詰まっていて、繊細さと同時に力強さを感じました。

ratsさん (2012年3月4日)

抽斗さん、コメントありがとうございます。
レビューも拝見しました。そうなんですよね。謎解きというドラマの魅力もさることながら、人間という存在に対する著者のまなざしこそが読む者を惹きつけるのだと思います。月を見上げながら自分もかの「人類」の一員なんだと想像してみると、なんだか胸の奥にじーんとくるものがあります。この感動を共有できて嬉しいです!

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