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学びの本質 (新潮新書)
- 山田肖子
- 新潮社 / 2024年10月17日発売
- 本 / 本
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本屋で面白そうなので購入。
アフリカ教育などの研究者である著者が書いたというわけで、研究内容はアフリカの調査などが多い。とくに学校教育がどうだったかは繰り返し述べられているので面白い。
こうすればいいということはもちろんないし、教育自体がその社会構造の中に入る(例えば学歴が高いと良い給与を得られてとなるように、切り離しができない)のは確かにと思った。そこを知っていても、違う国の教育や歴史から見ていくと色々と違ったものが見えてくる。というのが本書の骨子かと感じる。
とくに印象に残ったのは、
・発展途上国の若者では、教育が充実しているわけではない(学校が義務としてどの程度あるか、そしてそれらがあるからといって、優遇されて職があるかは、昨今日本や先進国でも同様。博士課程など高学歴でも職がないのは、結局社会の需要と供給が噛み合ってないからだろう)
・そういった中でキャリア形成とは、日本とは大分異なる印象になる。どこか学校で学んで再就職するなんてものはあまりなさそうだ
・結局自らを「セルフプロデュース」していき、どこでどうすればいいか。それこそ路上の行商で携帯パーツを売るも選択肢だし、観光客向けにビジネスをやってもいいだろう。でもビジネス?どうやる?となって、必要があって初めて学び始めたりということだろう(これは推測だが)
日本の教育は優れた点もあるだろうが、一方で同調しすぎたり、その規律を守ることが全てとなり、逸脱を許さないという点が課題となる。当たり前だが、完璧なシステム=教育システムといったほうがいいだろうが存在しない。なんでも長所と短所がある中で、著者的にはどこらへんが学びの本質かというと、これだというところは少ないかもしれない。
ただ、AIとの対比もあり、そこでは問いを持つことであったり、口伝ではないが口承文化の話から、文字や言語だけに頼らないという「あり方」もある(アフリカの昔の文化は、口承文化もあり、何も明文化された文字だけが全てではないということが明らかなのだと思う)。そこに人がやれることや人の感覚というのはやはり重要ということは再確認できる。
例えば非認知能力などであったり、また仕事における問題解決能力の定義や測り方を研究するのはとても面白いと思う。
そして最後に最も刺さったのは「疑問を形成する力」は時間がかかるということだ。訓練すれば身につけられるが、これは為政者や力を持つものにとっては脅威だとも言える。だからこそ、身に付けさせない方が楽なのは確かだ。そして、構造として身に付けさせない方が考えないほうが楽だと思わせる(学ぶ側が)のもありそうだ。この本にはないが、民主主義というのが必ず良いと思っている人はいるかもしれないがそれはなく、やや乱暴であり暴力的だが福祉といってそれを「出汁」にしているかはわからないが、そうやって支持者を取る政権や団体はあるわけだ。(もっといえば、民主主義が良いに反対させないようにして、その民主主義自体の概念ややり方を変えてけばいかようにもコントロールできるのかもしれない)。
自分の育った環境や教育を否定するのは難しいだろう。一方で、教育として「学習者中心主義」的なものとして「考えろ」といい、そしてある面では「考えるな」といって思考停止させるほうが全く矛盾しているが、都合が良い人は多いかもしれない。
自らの教育やシステムや文化、経済とも重なっている教育をそれだけ引っ張り出すのは確かに困難だなと思うしそこをアフリカという教育や歴史から研究していくアプローチはなかなか面白そうだと感じた。
学びとはこういうものだと、自己啓発みたいなものを想定している人はおそらく面白くないのでおすすめしない。本書は教育学とか教育研究というのが適切で、そういうものを見てい...
2025年7月12日
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なぜあの人は好きなことだけやって年収1000万円なのか? 異端の経営学者と学ぶ「そこそこ起業」 (集英社ノンフィクション)
- 高橋勅徳
- 集英社 / 2024年7月26日発売
- 本 / 電子書籍
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総じて良い。なんで読んだかは忘れたが面白そうだからで。
筆者の記事をどこかのメディアで見かけて。出会い系サイトのやつは微妙だったような(笑)こちらは面白かった。
色々な人のケースを取り上げて、必ず論文や先行研究などを入れて、視点を提供しているのは流石だと思う。だから、事例ですーで終わらず研究となっている。
一貫していえるのは、ライフスタイル企業家とは、「やりたいことをやる」のだけど「稼ぎもそこそこ」でいいと。稼ぎが多くなきゃいけない人は、選ばなければいいというか。なぜか?それはお金の魔物というか、欲に刈り取られるから。一発アテたい人はいてもいいだろうけど、僕は多くの人はそこそこでいいと思っている。そのためには、多大なリスクがあってリターンをたくさん得たいのではない。
少しのリスクでそこそこのリターンというところが関の山というか狙い目じゃないかと。
もちろんそんな簡単にできるわけでもない。筆者自身も大学教授という立場からそれも最後に嘆いているくらいだからだ。一方で、研究者にライフスタイル企業家になってもらう必要もなく、そこは切り分けて読めるし、僕はそう捉えた(経営学部の教授が経営できないという揶揄する感覚は僕にはないが、疑問に思う人もいるのは分かる。一つだけいえば、研究者と経営者は違う、それだけだ。興味の対象が違う)。
最後の学生の相談の件が面白い。結局少しずつ自分のアイデアなり真似でもいいけど、やってみて少しずつ経験していく。ハッキングするにしてもかなりの知り尽くしたり学びが必要だし、魅力で高めて巻き込むのも思い入れが必須になる。それらは「ちょっと好き」だからでは厳しいし、「ちょっとかじったから」できるのもまた違う。それで出来てしまうならいいが、多くはできない。
という意味で、はじめにあるように妙な情報商材を買うなら買って読まれた方が良い。良書だった。ありがとうございました。
2025年7月8日
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13歳から挑むフロンティア思考 イグ・ノーベル賞受賞者が明かす「解なき世界」を生き抜くヒント
- 宮下芳明
- 日経BP / 2025年2月25日発売
- 本 / 本
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気になったのでさらっと買う。
エレキスプーンで、塩を感じやすくなるスプーンを作った方。
注意としては、著者の体験や経験はほぼなく、最後に一部ある程度で、そういう企画なので。13歳など中学生向けに書かれている点に留意したい。
一方で、僕は著者の体験をもっと書かれていると思ったのでそこはしょうがないかなと。別の著書や別のものを探っていきたい。
ただ、中身としては、フロンティア思考というように、とにかく試して考えてやっていくことがこれでもかと書かれていて良いと思う。13歳の頃、中学生などが読んで、研究者でも発明家でもいいし、起業家でもいい、そうやってどんどんチャレンジしていくといいですね。
2025年5月18日
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嶋浩一郎のアイデアのつくり方 (ディスカヴァー携書)
- 嶋浩一郎
- ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2007年2月25日発売
- 本 / 電子書籍
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たまたま見かけたので。昔読んだ気がする。
改めて2007年の本だが、どんどんネタをメモしていって散らかしていく。それを後で整理する。
まさに偶発性や整理しないことで、思わぬ融合、アイデアの掛け算が生まれる。ということを示した本といえる。
結果的に今自分もこれに近いことをデジタルツールでやっているので、偶発性や散らかすということが非常に大事だなと再確認できた。あと、面白いとか楽しいということをちゃんとやり切るというか、それも再確認。
いくつかアイデアもひらめいたのでありがたい。
一つ懸念は、うんちくやトリビアみたいなことが多いので、それでアイデアを出すとか、紐づけたり話題や企画とする。ということにならずに、そのトリビアを集めるとかって誤読はありそうだなと。実際にトリビアとかうんちくってそのためにコレクトして語りたいだけとか。そういう人はいるし否定しないけど、あくまでそれは手段であって、アイデアや企画のために、アイデアがひらめくためにやっていること。そこを忘れないのがポイントだと感じる。
逆にいえば、自分もそういった散らかしたメモが一杯あるけど、別にトリビアや雑学やなんか物知り!みたいに言われたいとかは全く無くて。物を知っているとは思ってないので。そうでなくて、偶発性や気付いたところを増やしたり、アイデアのヒントや刺激を増やして出やすくするためというところでしかやってない。それだけなので、違うやり方が出るならそうしている。
手間というか効率化はこれらは出来なくて、まさに効率化すると一瞬で「無駄」であるといえる。無駄にみえるけど、それがあるからアイデアになるし、偶発や思わぬヒントになる。そういう思わぬに脳が弱いというか、面白がれるし楽しめるからアイデアになるかもしれない。
非常に良書であるが、この取り組みをやらないと分かりづらいというのはしょうがないのだろう。
2025年5月16日
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ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門
- 木村尚義
- あさ出版 / 2016年8月2日発売
- 本 / 電子書籍
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ラテラルシンキングってなんだっけというところで読んでみた。言葉では聞いたことはあるが。
水平思考ということで、ロジカルの対的なもの。ロジカルが垂直なら、ラテラルは水平。
まさに自分が考える視点とは、ラテラルが強いということを言葉にしてもらった感がある。ロジカルを否定するわけではないが、ロジカルではめっぽう弱いのは、新しいことをやる、ということだ。
新しいことをやるとか得意な人は、ラテラル的に考えるし、どうすればいいかを考える。それはある種ロジカルっぽいけど、まあ分かりづらいのでそれこそラテラルだなと。
一方で、無駄を活用するとかは別にラテラルでなくてもでてくるしすでにあったりすると思う。訳あり商品とかね。でも、そういうのも含めて、ロジカルに考えなさいと言われてないのに、お題や課題があったり、直面すると「ロジカル」に考えてしまうのは、それって、ロジカルに染まっちゃっているかなとも言える。
頭を柔らかくする(ロジカルのネジを外す)ためには、すぐに変えられないと思うが、それこそ、疑ったり、抽象化したり、色々と著者なりの提案があって、ほぼほぼ同感だった。
というわけで、発想が弱いとか、アイデアが出てこない人は読んでみるといいかもと。
2025年5月9日
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言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼 復刻版 ゆる言語学ラジオ
- 堀元見
- バリューブックス・パブリッシング / 2023年9月27日発売
- 本 / 本
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2025年5月4日
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人生が変わるゲームのつくりかた いいルールってどんなもの? (シリーズ・全集 ちくまQブックス)
- 米光一成
- 筑摩書房 / 2024年10月7日発売
- 本 / 本
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書店で見かけて購入。米光ワールド全開。良い。
・コンセプト→プロトタイプ→プレイテスト→ブラッシュアップ。で、プロトタイプに戻りーを繰り返してくことで面白いゲームになる。いいですね。
・汚く作ってやりなおせは響いた。
・プレイテストの際の「赤ん坊」扱いは大事で、やさしく丁寧に扱う必要がある。とはいえ、どんどん改善するのだけど。この感覚ってやらないとわからない気がする。
・マジックサークルの話も面白い。ゲームをしている仲間でできる場のことなんだけど、確かに鬼ごっこしてないひとに鬼ごっこしても「え?何?遊びなの?」ってなる。そういう架空や大胆さを排除した、学ぶためのゲームみたいな作られたやつが面白くないと。これを「邪念」と読んでいるのが著者っぽいなと思って笑ってしまった。確かに邪念だよなと。
ゲームだけではないだろうけど、響いたのは「楽しくできないか」と考えること。これはゲームだけでなく、まさに仕事も人生もなんでもいえる。と思えるなら、抽象化してこの考えを理解していることになる。少なくとも、カードゲームでしか使えないと思ったらその見方はかなり狭いともいえそうだ。
ゲームを作りたい人はまさにこの本のとおりでやってみるといい。本も遊び心、ゲームとして、楽しませようとしている。ワークも然り。
ということは、シンプルに誰かや何かを楽しませようとしていること自体が「ゲーム」と言えるし、その通りとなる。それができていればゲームも作れるし、面白いゲームにもなる。自信をもっていきたいし、素晴らしい本ともいえる。
ゲームづくりをしたい、またはしているけど、面白くならないという人は是非読んでみると良い。
その時、アイデアの話としてはどこかにアイデアがあるのでなく、自ら考えて試すことでしか得られない現実が見えて来ると思うし、そうやってしかない。
得ようとして得られるものではない。手を動かして試して考えてやっていくもの。だからその時に「面白がる、楽しんでみる」ということが大事となる。
その理解度レベルの話で分かればそこから色々とできるはず。
2025年4月20日
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創作をマネジメントする: 作家という個人事業の戦略について
- 兎野卵
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面白い。
一番刺さったのは、
・プロのお仕事ごっこ
・営業している感
・うまく失敗する(下手に成功しようとしない)
というところですね。
1つ目は、要するに、色々時間やお金をかける(ここではとくにお金)を最初から投じるケース。リーンでやる時はそうではないという文脈から。これは要は綺麗な箱はあるけど人は来ないわけですが、これってお客のためと言ってそうで実は自分のためなんだと。これでは商売にならないし、うまくいかないし、失敗の仕方が「下手」なわけですね。このあたり理解出来ている人は、失敗がうまい気がします。逆に理解できてないか、わからない人は失敗が下手かもですので、ぜひ読んで下さい(笑)
2つ目はかなり大事。「感」だから、詐欺しろとかでなくて(笑)
例えばのれんがでてない店って営業していない感があるわけで、だから出していないなら「出せ」ってことですね。これは本当の店ではなく、作家業とかそういう作家を目指すかやっている人向けなので、作家の定義としてどうするか。つまり、SNSやウェブサイト、そういったものでデジタルなものかもしれない。そういうところで、どう「あ、ここは営業しているのだな」と思ってもらうか。めちゃくちゃ大事でその視点は忘れがちになります。
これもお客さんから見れば当たり前ですが、作家視点や創作側で「作れば、良いものを出せば」となりがちなところで、切り替える練習になりますね。
「感」とは、再度言いますが、営業をしている「フリ」という意味でもあります。例えば、確かに個人出展ブースなどをイベントで見る時、ぼーっとしているブースは活気はないですよね。もちろん活気があればいいわけでもないのですが、見づらいとかもある。声をかけて挨拶とかも色々ある。目で顔で簡単にお辞儀みたいなのもある。そういうのはあっても、無視したり無き者扱いではな駄目だと。というところでバランスではあるものの「何か人がいそう」な方が人は来ると。だからサクラを使えってことではないですよ(笑)
こういう感として、雰囲気づくりであり実際に営業をしている(ブースに人がいないよりいること、いても対応をするかどうか、このあたりしか結局営業感ってでないんですよね)ことが大事なんだよなと。
3つ目は本書の肝でもあります。
読めば分かりますが、上手に失敗できることは、下手に成功しないことでもある。正確にいえば下手に成功を狙う人だと、失敗して経験値がたまらずで小さな成功チャレンジもできてないので、大怪我をする。致命傷で即死もありえる。そういうところなので、うまく致命傷でない失敗を蓄積していく、そして需要を見極める。ニッチでもなんでもいい。そうやってチャレンジをしていく(実際に成功するチャレンジとして、大きなチャレンジは失敗しやすいので、小さなチャレンジで成功率が高いもので自信をつけていくのも大事)ことで成功率を上げていく感じですね。
失敗が上手い、失敗の仕方が上手い人ってやっぱ成功しているなと。逆に失敗している人(局所的ではなく大局的に)は、失敗の仕方が下手で成功できないのだなとも感じましたね。
作家業でなく何か個人でやりたいとか、プロジェクトを自分で立ち上げてやりたい。事業でも起業でもですね。そういう方はヒントになると思います!
2025年4月9日
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つまらなさとはなにか?: 創作に虚しさを感じるあなたへ 創作心理シリーズ
- 兎野卵
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- 本 / 電子書籍
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めちゃくちゃ面白い。
つまらない=虚しさとしているが、僕にとっては違和感くらいが適切な気がする。
虚しいとは、期待値がズレていた、という結果という話となる。それを創作する側の視点では知ることが大事で、そこを無視して、正解・成功・評価のために、欲だけもって、他人が読んでくれる創作(ここでは漫画やフィクションなど)をするのは愚か(まではいってないが)という話。
だから、それを脱出するには、
・つまらない、虚しさ、僕としては違和感だが、そこに向き合う(人の創作を見たとか)
・分析すると色々見える。当然創作する中で、自分が何が楽しいかを知る必要がある(こちらは自分の作品を高める意味で)
・自分がここが面白いを出していくことで、自分が楽しんで、創作ができる(ちなみに著者は、他人のためだけに創作するのは一瞬で消費されるだけで終わるので、自分のために楽しさで創作するのはマラソンであり人生であるのでそっちを推奨する立場。前者はすぐ迷いの森に入るのだろう)
そして、やりたいというか創作したいって人は少ないはずで、それをやり続けられることも大事だと。
時間やお金をつかっても(誰から言われるわけでもなく)出来るとは、まさにやり続けられるということ。
そこに、成功したら、欲、お金が得られるなら、うまくいくなら、という「言い訳」というか、理由がある人(それのみという人のことだろう)は厳しいとなる。
概して、創作をする人はこのつまらない、虚しいと出会うのだろう。最初は純粋な気持ちで楽しいとか、創作っていいなと思う。でも、それはある日少しの成功で忘れてしまう(本書ではA君の例がある)。当然そこで「いやいや、自分はそうじゃないよ」と取り戻せることもある。けど多くはできないのだろう。迷いの森に入ってしまえば、そうなのだ「私はなんで創作をしているのだ」となる。本来こうではなかったんだ!と思っても既に時遅しであると。
売れるためにというのはなるほどとてもわかり易い。けど、売れるためだけではないだろう。というか、売れる前に、誰かの評価の前に、まず自分が創作する、その創作する自分が何か面白いというものがないのであれば、誰かのためにイヤイヤ作られたもの、お金のためですからという割り切った感覚の創作は、僕もだがおそらく「面白いものではない」のだと思う。
または、仮に一瞬ごまかせても、また次の創作(一つがヒットして食えることはまずないだろうから)で、また次の創作や次の生活や色々な気付きででてくるのだ。嘘とはいわないが、「あなたはどうなのだ」と問われるのだ。問われ続けるのだ。
そこに、楽しさや面白さがないのであれば苦痛でしかない、と僕も思う。
創作する人で、迷いやなんか違うな、自分の作品がつまらない・・だけで何が?となることをしてない人は是非読んで欲しいかなと。
2025年4月7日
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偶然が創作を支配する: コントロール不可能なものを巡る思考 創作哲学シリーズ
- 兎野卵
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- 本 / 電子書籍
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非常に面白かった。
とくに「偶然性を手懐ける」という視点が良い。
簡単にまとめてしまえば、
・必然で出来ることは少ない(創作においては何を形にするかくらいだろうか)
・多くは偶然で、つくろうとしてもまたはそのつくる中で変わっていく(自然物であり全てコントロールできない)
・作ったものがうまくいく、成功する、売れるというのも、必然はあまりない。だからこそ、ダイスを振ってみたいなランダムではなく、才能を生かすとか、何を形にして決めるかとか、コントロールできるところはしっかりやる
・そうやって続けていくことは、楽しさなどを見出すしかない。というか楽しくできなければ、見返りが合理的に期待できないものをやることはできない(創作という行為が、発想して作業して形にしていくということになるが、偶然性の塊であり、必然的に出来るという感覚自体が誤っているともいえる)
・楽しく続けていき創作=偶然性を楽しむことが著者なりの創作術
という感じかなと。
以下は自分の感覚としてのメモ。
成功する方法みたいなのを、とくに創作で売れるみたいなことを期待するのは全く違う。あと、仮にそれがあるならば皆成功してしまうことになる。
多くは
・そういった創作術があっても実行できない(才能、時間、お金、続ける期間などが壁となるが)のだが、それはそもそも続け方が間違っている
・続け方の正解はないのだけど、例えばその行為、創作ややっている一連のものが、「楽しい」のであれば続くのだ。楽しくないことをやっているというのがそこで誤っている
・例えば楽しくない小説作業で一発当てるみたいなのは愚かということだ。ただそれをやる人は一定数いるわけで、うまくいくわけがないのは自明となる
著者的にはうまくいく方法は提示できないが、ただ創作を続けていくことで、楽しんで意味を見出し、価値として作品をだしていくことができると。
そうすると、偶然をコントロールできるし、かなりの楽しさが生まれて継続はできるし、そしてその先、結果として、読まれたり売れたりがあるかもということを言っていると捉えた。
テクニックを身につけるのは悪くないが、くどいが多くは完成させられてないのだと思う。完成させられるとはなんだろうか?シンプルに、何かをやり切るときに、想定していないことが生まれるのでそれに対して「そういうこともあるよな、そういうことがあるんだな」と学ぶこと、楽しむことで、そこを踏まえて完成していく。合理や計画ではないのだ。ということなんだと思う。
アクションとしては、この本を読んだ人が、
完成していない人であれば、まず完成させられるためには、計画ではないということに気づくはずだ。または学び方の計画書やスケジュールや書き方教室なんかでも、小説家になろうというスクール?でもなんでもない。
まず完成させようとして、完成するまでにある様々な道のりを、トラブルを、想定外を楽しめるかどうか。そして結果的に完成させるということだ。
そこを示していると考えると素晴らしい本だと思う。
2025年4月6日
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メタバースは死んだのか? 元エピック今井が明かす「稼ぎ方」と「現在地」
- 今井翔太
- 徳間書店 / 2024年11月29日発売
- 本 / 本
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読んだ理由:本屋で立ち読みして面白そうだと思ったので。
感想:
著者はエピック、つまりフォートナイトの開発元でエヴァンゲリスト的にアンリアルエンジンであったり、フォートナイトの魅力を伝える立場にあった。というわけで、フォートナイト寄りにも読めるが、マインクラフトやロブロックスなどのメタバース他プラットフォームの話ももちろんされている。
タイトルの答えは、死んでない(笑)し、さらにこれからもイケると。著者的にはメタバースに他のNFTやらも統合されるという読みはなるほどなと。確かに普段使っているものに慣らしていくのがいいのでそうなるかもと。
メタバース自体は少し遊んでいる程度だが、いい感じに普段から遊ぶ、慣れる、それが面白いので良い感じに触って触れられるというのをやってもいいかなと感じた。ただ一発でメタバースが劇的に面白いみたいな期待値はないし、あと稼げるなどもまた違う気がする(成功例はごくごくごく一部でしかないからだ、ただ今までと違う経済圏が生まれることにワクワクするのはとても分かる)。
よって、身近でメタバースをやる楽しむことがあればまずはやる。または無理してやるものでないので、楽しくないならやらない。フォートナイトなどもゲームとしては魅力的だがそこまではという感じだろう。コミュニケーションとしては優れていると思う。
あとは、著者の飲食店をメタバースに再現するなどリアル寄せのバーチャル渋谷は痛烈に批判していたのは笑ってしまった。確かにリアルに寄せてリアルと同じって考えがちだけど、それはメタバースが「仮想現実」という訳なのか、そこで誤解をしてしまったというのもありそう。飲食店再現は駄目ではないだろうが、食べられない飲食店ってたしかに価値は低いだろう。見せられてもどうかとなる。
リアル寄せのものもそうだ。それによって自己満足や作った感はあるが、真に考えるなら、それによって関わるとか、楽しむとか、そこでのユーザーが何ができるか。ゲームとしてはエンタメ要素が強くてそこから脱しきれてない感があるが、ゲームでなくても色々な仕掛けやアイデアでできる事はあると思える。ただそこはメタバースがわざわざ感があり、あえてやらないといけないほどの体験やコストがまだないともいえるし、あってもまだ弱いのだろうとも思った。
魅力的ならメタバースであろうがなんだろうが人は来る。当然ハードルはあるが、そこをどうしていけるかはもっとメタバースでもやれそうだし、オンラインやインターネットの魅力ともいえるのでもっと仕掛けていきたいなと感じた。
本書は、どうだろう。メタバースをあまり知らない人でもサクッと読めるし、フォートナイトや著者のメタバース感覚(心が通じ合う空間みたいなもの)が別にポエムとか、キャッチなー記号でなく、本当にそう思っていること。それを感じるだけでも意味があると思うので、そこらへんでピンとこれば読み。でなければ無理して読むものではないかもと。
僕はメタバースというか、ネット空間やコミュニティを面白いと思うし、メタバースって言わなくても言う必要もないと思っているが、色々できるという立場というか考え方で読んだので、非常に分かる。留意としては、フォートナイトはゲームではあるが、既にゲームでなくコミュニケーションツールとしてゲームしながら話すのだ、みたいなのが前提なのだろう。ただ勝ち負けだけでは狭いし、広がらないからだ。
ゲーム以外の例ももっとあると面白いかなと思ったところで、一方でゲームがコミュニケーションや学びというところでも入ってきていると思って境界線はない。そこを受け入れてどんどん楽しんでいくのが良さそう。
著者のコミュニティマネジャー観もよく分かるので、そんなことをそこまでやってないが、人を繋いでや...
2025年3月9日
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天職が見つかる空想教室
- 植松努
- サンクチュアリ出版 / 2024年10月8日発売
- 本 / 本
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読んだ理由:
本屋で見かけた良さそうだったから。植松さんは多分そこまで知らず。
感想:
めちゃくちゃいい。
ロケット作りたい、飛ばしたい、そういう気持ちを壊されそうになっても踏ん張っていって、今はロケット作って飛ばすと。めちゃくちゃ「夢」がある。
一方で、夢を潰す人が多くて、できないことばかり言う。
自分としては、できない理由だけでなく、できるためには同じ比率では考えないとちょっと押し付けかなと思ったりする。
著者が主張したのは、そういう社会がどうなっちゃってんのということであり、大人こそが、「無理だよそんなの」→「どうしたらできるだろうね」と考えていく必要があるってことを言っている。教育は何か押し付けたり、ルールを学ばせるだけではないからだ。押し付けでは当然ない。
ロケットを飛ばすなんて無理な子も、飛ばせるから飛ばす体験をする。本当に飛ぶのはすごいし感動するだろう。そうやって著者ができることをしっかりやっているのがすごい。
いくつも気になったが、やはり「やったことがないことをやれる人は世界は探している」がしびれた。考える人ってそうだあよなと。今までやったことがあることでなく、やったことがないことをチャレンジする人が少ないし、そういう人が求められるのだろうと。確かに論理的にはやらなければ失敗しないし、痛くない。が、そこに成長や学びはないに等しいのだと僕も思うからここはしびれた。そのためには、やって失敗するから、そうでなく成長していくという前提であきらめず工夫し続けることが求められるのだと。その通りだなと。
p.141
>能力というものは、失敗するか成功するかの「経験」によって身につきます。「楽をする」ということは、つまり「その経験を避ける」ということです。からずっと楽をしていたら、自動的に無能になって、誰からも見向きもされなくなります。
これはその通りだなあと。失敗経験をおそれて、経験がないなら、何もできないから、楽だけしていて、何もできなくなると。これはその通り、経験という貯めがないと感じた。
だから失敗とか成功とかの手前のところで、経験という純粋にどちらにも言えないことを色々やっていくか、その姿勢がないと何も得られないとも言えそうだとも。
P.202-203
> ぼくがあわてて「ん?書いてないよ。なんで?」と聞き返すと、彼は「お金で買うものだったら、それは趣味じゃなくて、ただのサービスだよ。本当の趣味は自分で作り出すものだ。それが仕事になることもある。本が好きなら、本を書いてみたらどうだ?」とすすめてきました。
こちらの趣味の定義も面白い。アメリカかどこかのパーティーでの一幕。医者になりたいという人は多分命を救いたい人というのがあったかと、であれば医者にならなくても「命を救える」ならその人にとっては「医者」だ。抽象化しているだけともいえるが、それができるなら、「医者」に固定しなくてもいい。夢とはそういうことで、職業的な何かだけではない、夢や希望とは「命を救うこと」みたいなビジョンの方を指せばもっと意味が違ってくるし、のびのびできそうだなと。
以上を読んでいって、自分が目指すご機嫌社会もまさにこの世界観。もっともっと仕掛けて1mmでもいいから盛り上げていこうと思った。
本書は、何かやりたいとか、ちょっとあきらめかけているとか、周りに良い環境がないとか、そういうくすぶっている人にも励ましになるし、子どもが読んでもいいし、励ましの書といえる。少しでも日本を社会を明るくしていくだろうと心から感じた。
2025年3月9日
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#100日チャレンジ 毎日連続100本アプリを作ったら人生が変わった
- 大塚あみ
- 日経BP / 2025年1月11日発売
- 本 / 本
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読んだ理由:
記事でみて面白そうだなと。ただ、一旦保留してそこまでか?と思いつつ購入(笑)
感想:
非常に良い。
象徴的なのは、
・著者の1日10時間ChatGPTやっているのが努力だとか思ってない点(楽しいからやる、多少の辛さは当然あることは読み取れる)
・先生、とくに伊藤先生など大人などの良き環境。
ここで、著者のスキルというのはチャレンジ前はそれほどではないといえる。一方でChatGPTに触れてそれで遊んでみよう、つまりサボるということは長けていたようだ。ただそれを序盤はDay8あたりで辞めようかと思っているところもあり、ムラがある。著者のパワーは楽をしたいからこそ、努力している(著者的には努力ではない、サボるための投資は努力ではないのだ)という姿勢であり態度だと思う。
指導者の立場からも、伊藤先生が嘆いているのは指導学生が全然学ばないということだった(笑)このあたりも面白く、自走できる、それは拙さがあっても、自分で動いてやれることなのだろう。先生からみれば拙いプログラムやゲームでも暖かく見守っているのは素晴らしい(実際はどうかはしらないが)。
そういう大人に出会っているし、出会えたことは著者的にはラッキーともいえる。一方で同時にそれは単なるラッキーではない。なぜなら100日間をやりきるのもだが、それを毎日やることは学びたいとか、面白いと思えることをやれるということがあるからだ(くどいが、著者はこれを努力と思っていないのがポイント)。そしてやっていって作っているから、大人が評価してくれたのだ(一方でここでは研究者や柔軟な考え方の大人が多かったともいえるし、そういう人たちが周りにいる環境はとても良いと思う。それに出会えない人たちもいるだろうから。ただそれは運だけではないと思う。著者がやりきったことや思考はすべて、著者の力だからだ。
本書は、ChatGPTを先生にしてプログラミングをゲームを作りながら学生が一から学んでいくものだ。最後は設計やコーディングも自分で書いているように思われる。そして、学ぶ、興味をもつことを徹底的にやる、または一緒にやれるということでの学ぶ相手としてのAIの可能性をしっかりと示してくれたように思う。
これが仮にデフォルトになるとは思わないが、その余韻はある。ただ、1日10時間はくどいがなかなかできないし、そのレベルの熱量が誰もがどこかに持っているとは思えない。見つからないから悩むことに10時間は使う人もいるが、10時間没頭できるという人は少ないだろう。
この著者の真似はできなくても、これが著者のやり方だとして受け入れた上で、参考にできることはありそうだ。
例えば、「帰納的」に断片的に場当たり的に学んで言ったものは、演繹的にルールを考えたり学んだり、抽象化したり、パターンを考えて全体を見ていくようになるのではないかと。これは学習における型の大事さであり、結局ある程度型を学んでやるということの効率性が証明されることもである。
問題は型は面白くないことだ。面白くないから、学校の講義は面白くないから聴けないし適当にさぼるしできないのが著者なのだろう。だから座って講義を聴けて学べる人はこのようなやり方をしなくてもいいともいえる。そのうえで、自分が楽しくて持続出来て更に高められるならば、ここでいうAIと学ぶほうがいいにきまっている。自分のスタイルややり方に合うものを選べばいいのだから。
2025年3月8日
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ミライの武器 「夢中になれる」を見つける授業
- 吉藤オリィ
- サンクチュアリ出版 / 2021年5月8日発売
- 本 / 本
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オリヒメカフェにて面白そうなので購入。
良かった。
オリィさんの人となりとかやってきたことも分かりつつ、なんでオリヒメをつくることになったのがよく分かる。
それはいわゆる立派なことというラベルではなくて、自分の友だちづくりとしての、生身の人ではないロボットという友達が欲しい。というコミュニケーションの話が起因する。
だから、必然的に、著者がコミュニケーションが得意で友達も出来るなら、今のオリヒメはない。だからこそ「できない」が「価値」だという著者の主張は非常に刺さってくるし、その通りだと思える。
そこには「できない」から駄目でなく、「できない」からどうすればいいか。まさにアイデアの種として「できない」が様々な原動力になるともいえる。面白い。
この本自体は若い例えば高校生くらいとかそれ以下、向けだと思うが、全然社会人が読んでも良い。というか、僕は面白いと思う。平易にかかれているし読みやすい。
2025年2月12日
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やわらかい頭の作り方 身の回りの見えない構造を解明する (ちくま文庫 ほ-23-2)
- 細谷功
- 筑摩書房 / 2023年11月13日発売
- 本 / 本
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書店でパラパラ見てたら面白そうだったので。
細谷さんは抽象化ネタで面白いので色々読ませてもらっていて、これもその一つ。ヨシタケさんのイラストがいい感じにハマっている気もする。
衝撃的というか、面白いのは2つあった。
一つは、上流と下流の話。P.76
これはかなりこれだけでもネタになるのだけど、簡単にいえば、抽象は価値が分かりづらいということ。ポイントは価値が分かりづらいのであって、価値はあるのだけど、というところだと思う。だからこそ、具体に落とし込まないとともいえる。
ただ、当然本書の話にも通じるし本質であるが、だから下流がいいとか、上流でいいのだということではない。どちらも大事だし、上流→下流→上流→下流というように、もしかしたら、中流でカバーするのがいいかもしれないし、考え方次第だと思う。
どちらかではないのだが、結局この視点を入れて考えると色々と見えそうな予感がある。
もう1つは、P.183
決定論と確率論の話。
こちらも面白い。
決定論で考える人には、確率論的にいう「やってみないとわからない」は多分分からない。やってないならできないし、やってみてどうかを言って欲しい、その結果を見てやるかどうかを決める考え方になる。
これも相対的でもあるし、どちらがいいとかではない。
ただ、新しいことをやってみるひとは、決定論では無理だと思う。著者もそのような考えだと思う。確率論がすべてでもない、例えば保守的な意味で審判とか経理とか、品質保証部門は(これらは別コラムではあるが)確率論的でやっていては厳しい。決定論でいきたい。それくらいルールが決まっていて、裁量が限定されるということになる。
明らかに自分は決定論でなく、確率論で生きている。もちろん決定論の人をすべて否定するわけでもない。ただ、新しいことをやるなら、確率論的に「やってみないとわからない」「やってみてどうかを考えよう」がないとしんどい。逆に本当に真の意味でできないひとは、向いていないともいえる。これは否定でなく、向き不向きの問題だと思う。
この2つだけでも素晴らしいが、ほかにも「頭を柔らかく」する投げかけや話があった。まだまだ頭は固いので柔らかく考えていきたいところ。
2025年2月8日
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儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書
- 川上昌直
- かんき出版 / 2013年2月20日発売
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著者の別の本が結構面白かったので。
9つの質問は整理としていいと思う。あとは落とし込んで回していけるか。
明確には稼ぎを重視しないとかそういうのも組み込みつつはなるほどなと。
ジョブ理論の冒頭あたりの話も改めてジョブ理論大事だなと。
2025年2月6日
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オモシロタノシズム思考
- タイヨシフミ
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面白すぎる!
学びが多いが、
・面白いことをやることで、挑戦の閾値が下がる。失敗の閾値は上がる。故に同じようにやっていても、すぐ試せて、失敗を失敗と感じづらい。だから、次の一手もできるし、やり続けられる。
・自分の話。みんなと同じことをやるのが苦手。そういう思考に埋まりたくないし、やるなら自分がどう思ったかを考えないと腹たってくる。工夫ってのは、アイデアというのは「みんなと同じことをやる」にはまさにないわけで。自分がどうなのか、あなたがどうなのかということを強くこだわりがあるなと。だから自分の思ったことは言ってみることが多いし。そういう人が周りに集まってくるし、でない人は合わないし離れていくと。
・自分が楽しんでいる人は、他の人に干渉しない。自分が楽しいから。人に干渉している時点でまだまだかもしれないともいえる。これはめちゃくちゃある。人のことをいう人ほど色々自分がやれてない。自戒を込めてw
・働き方とか別に関係なくて誰でもどこでも面白いことをやってなにかするはできそう。本著だとアルバイトスタッフでも全然やっているわけで。つまり環境設計次第ともいえることが言えそう。当然それをできないしやってないからできてないのだろうとも言える。自分ができるなら他の人にも伝播していくことかなと。これはやりたいしやっていきたい。人に共通するワクワク概念ともいえるというか。
・自分にとって、アイデアや工夫を出せて考えていいといってくれて、それをある程度試せて、寛容であり、そしてそれをさらにやり続けられるなら、仕事はなんでもいいかもしれんと思えた。企画とかが向いているだけであって、人との関係でも全然あり。多分ここまで自己分析したり、あと言語化する人がいないと「なんじゃそら」ってなるんだけど、感覚でもなんでも自己把握しておいて損はない。
・ワクワクが燃料になるからこそ、ワクワクして楽しいをやっていたほうがいいだろうなと。それをやり続けるというのが良さそうだなと。これは再確認できた。
・面白いことは数値では計れないということか。だから面白いというのは言語化できないともいえるし、誰にとっても「なんか楽しい」ということになる。そこが生み出せてかつ広がっていけばめちゃくちゃいいかなといえそう。
学びが多い。シゴトづくりという点でも全く同感。売上とか経営とか、数値とか、合理的、マニュアルとか色々左脳っぽい人で、ワクワクとか右脳っぽいことがない人はかなりおすすめ。出来ている人はよりワクワクに集中してとことんやれることを大事にしていいかも(熱中として時間を忘れてできることとか)
2024年12月29日
2024年11月23日
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ナリワイをつくる 人生を盗まれない働き方
- 伊藤洋志
- 東京書籍 / 2012年7月2日発売
- 本 / 電子書籍
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読んだ理由:
・キンドルで再読。面白い。
・久しぶりにナリワイ視点を学び直す意図で。
感想:
流石伊藤さんというところ。
そのうえで今回感じたのは、本書はナリワイづくりもだが、思考であったり、考え方として批判的とか疑うこともかなり大事にしていると思った。田舎では仕事がないというが、雇用はないけど細かいものはあるという事実。当然どこでも絶対そうではない。
それこそサラリーマン生活を長くしていると、それで辞める選択肢が消えてしまって。不安になって選べない。だからこそ、ナリワイで鍛錬しておくとかあ。これもかなり大事だけど、結構言ってくれないというか、誰も言わないのかなと。驚くほどに。例えば、転職とか、キャリアアップ、スキルが、資格がーというのはあるけど、それらはナリワイではないと思える。
最適なナリワイというのは、自分で考えて試して楽しくやっていけるもの。役立つし、おすそ分けできるもの。そういうものだ。それらが全く見えない人は多分いるというか、かなりの人が汚染されているかもしれない。例えば、会社に行かないと仕事ができないなどだ。これはかなり末期だ。だからこそ、本書を読んで考える時間を持とうともいえる。
慣れとは、日々の生活の中で考えること試すことである。それは最初は全然できない。例えば本書を読んで面白かったと誰かに言うことも、ナリワイづくりにはなると思う。著者がそれをやるのはやりづらいがそういうことがあってもいい。思えばそうやって著者を招いたということが僕の中での大きなきっかけとなったことも思い出深い。
アイデアとして思いついたのは、ナリワイ紹介などだ。そもそもナリワイネットワークというものは個々で自由にやればいいが、ナリワイというのが全然思いつかなかったり、または事例としてどういう動き方かを学習したい人も多そうだと感じた。ナリワイ事例も実は色々あるが、自分でそれをできないから駄目でなく、自分で考えて試すことをしないと、ナリワイも、ビジネス書も、スタートアップも、副業も、全部いっしょなのだ。そこはチャレンジというか、自分でやってみることを推す意味で何かやってみた。
本書が2012年で、12年経つところで、ナリワイをすると確かに心も身体も健康になるかもしれないと感じている。
2024年11月13日
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アウトプット思考 1の情報から10の答えを導き出すプロの技術
- 内田和成
- PHP研究所 / 2023年6月23日発売
- 本 / 電子書籍
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読んだ理由:
そういえば内田さんのこの本読んでなかった・・・。
気になるから読んでみようか。
感想:
・総じて良かった
・アウトプットのやり方とか、考え方も大いに参考になる。
・結局はなんでアウトプットするか?
仕事とは何かを目的を達成するためで、作業はその具体的な行為。
だから作業を増やすのでなくへらして仕事を達成すればいい。という原則をちゃんと踏まえているかは確かにと感じた。
・アウトプットベースの考え方も良い。
・あとは、やはり20の引出し。これは自分も近い。色々なものを引き付けてラベルというかタグをつけておいて。みたいなまたは勝手につく感覚がある。
これは発想の仕方や考え方という意味。引出しが少ないから駄目とか多いから良いということでなく、自分のアンテナ=引出し数になると思う。
色々なことを楽しめる人はこの引出しが多い。そして編集して良い感じに仕上げられる。ってことかなと。
・AIは収集ではいいけど、加工や編集となると自分の頭や一次情報の価値があるのでそれをもっと活かす。そのためには寄り道もガンガン要るという感じ。
というか、無駄的な意味で、余白余地がないと詰まるし、合理的で全部同じになる。AIが全部あって動くセカイは結構ないわけで、人間が生きるならそこに価値を見出すのだろう。
・奇抜なことを著者がやっているわけではない。だからこそ、それらは一瞬で身につけれられることもでないが、習得は可能。踏ん張っていきたいところ。
コンサルというところで寄ってしまうかもしれないが、内田節はキレキレでいい。おすすめ。
2024年11月3日
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ビジネスと空想 〜空想からとんでもないアイデアを生み出す思考法〜
- 田丸雅智
- クロスメディア・パブリッシング(インプレス) / 2023年3月2日発売
- 本 / 電子書籍
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読んだ理由:そういえば、読んでなかった!
感想:良かった。
流石プロという感じ。
・アイデアの出す確率を高める
・楽しさをいれつつ粘っていく
・著者がなんでショートショートをやろうとしたかは、ものづくりにおける制約があって息苦しかったというくだりがあり、意外だった。
・アイデアは誰でも、どんなときも出せる。などは100%同意。
・ストックは枯渇するので、常に楽しむ、色々やることが大事。
ものすごく違うヒントを探している人は多分総スカンかもしれないが、自分にとってはわりと当たり前のことを再確認出来たのが良かった。
アイデアが結晶であり、というイメージは独特。そういうイメージはないけど、確かに良いアイデアは色々広げられるので物語の枠としてというたとえはいいのかもと。
ショートショートでのアウトプットも正直好みがありそうだがそれは仕方がない。創作としてお話を作りたいわけではないという人がいそうなので。その場合はあまりおすすめしないが、ただエッセンスや本質はそっちではない。妄想や空想をちゃんとしていくと、それらをアイデアとして強度を高めるために、物語としているのが主旨なので。
2024年10月29日