反ロックダウン運動のバイブルと呼ばれている本だが、通説と離れたかなり偏った極端な主張をしており、鵜呑みにするのは危険である。
作者の主な主張は以下の通り。
1. 新型コロナウイルスは一部の高齢者以外には危険ではない。
2. PCR検査は当てにならない。
3. ロックダウンなどの厳しい規制には効果がない。
4. 新型コロナワクチンは危険で不要である。
作者は、自分と異なる主張には侮蔑を含めて激しく批判し、同調する意見には手放しで大絶賛しており、あまり客観的な態度ではない。また、主張の根拠についても、通説に疑問を投げかけるだけで、薄いと感じられた。
また、本書の監修の大橋氏は、日本で流行している新型コロナウイルスは武漢発のものではなく、元から日本にあったウイルスがPCR検査で見つかっただけだと言って、PCR検査が今回の騒動を作り出したという不思議な説を主張している。
やはり、このような異端の主張を読む前に、「新型コロナの科学」(黒木登志夫 著、中公新書)のような一般的な解説書を読んでおくべきだろう。
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- 感想投稿日 : 2021年8月2日
- 読了日 : 2021年8月2日
- 本棚登録日 : 2021年7月31日
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