まだ未読なんだけど。この本を手にした経緯・・。トーハクの神護寺展を見に行った後、『阿・吽』を読み返しているうちに、藤原冬嗣が気になりだしてwikiで調べる→取り上げられた作品→永井路子も小説書いてるんだー・・とamazonでチェック→『王朝序曲』本日発売!え?運命を感じて購入(イマココ)

2024年9月9日

読書状況 積読

読みやすくてサラッと読めた。
私も昔は京都へ行った時は裏路地を歩くのが好きだったなあと思いながら。
今は人が多すぎてゆっくり歩くのも大変になってしまったのが残念。

2024年8月29日

読書状況 読み終わった [2024年8月29日]

日本の小さなプリンセスがイギリスで一人孤軍奮闘する光景が目に浮かぶようだった。それだけでなく、お父様とのやりとりも興味深かったし、警護の人とのエピソードや気持ちを癒そうとあれこれ心を尽くした仕送りをしてくれる侍女さんの話など、きっとお仕えしたいと思わせるお人柄なのだろうなあという感想を持った。

2024年5月30日

読書状況 読み終わった [2024年5月30日]

アニメ「雲のように風のように」が放送された33年前に読んでいたけれど、酒見賢一先生の訃報を聞いて、実家の本を取り寄せてあらためて再読。
当時、本当にそんな国があったのかと思っていたなあ。
中華ファンタジーノベルということで、十二国記や薬屋のひとりごとなど今の中華ファンタジーの先駆者、という評価だけれど、読み返してもやっぱりファンタジー、ラノベの範疇じゃないよなあという感想。
どちらかというと”史伝”という感じか?いや歴史上の事実には基づいてはいないけど。
ファンタジーノベルというにはあまりに客観的にすぎる。双槐樹にあんな最期を迎えさせたりしないし、なんなら主人公の銀河ですらどこか他人事のようなキャラの動かされ方をしている。
国々の興亡、歴史の波に飲み込まれた男女、ということでは、井上靖の敦煌とかそっちの方に近いのかしらと考えてみたり。なので、あまり"ファンタジー"という部分を強調されるのは作者としても本意では無かったかもしれないなあなどと想像。
柴錬三国志にも近いかななどと思ったのは、単に作品の出だしが似てるからかもしれない。
(柴錬三国志「人間が、空から降ってきたのである・・・・」
 後宮小説「腹上死であった、と記載されている・・・・」・・・・似てる!?)

2023年12月24日

読書状況 読み終わった [2023年12月5日]

作者のあとがきで、出身が、読みながらイメージしていた知覧のあたりと知り、この作品が書かれたことに納得。
ラノベだし・・・と一歩引いて読んでいたけれど、最期の手紙のあたりではさすがに泣いてしまった。
知覧の特攻平和会館には本当に普通の少年たちが家族のために、国のために、と飛び立っていったことが分かる資料が沢山あるので、日本人は一度は行った方がいい。
無駄死にだよ、とか意味がない、とかとても言えない空気がそこにある。

2023年12月6日

読書状況 読み終わった [2023年12月3日]

壊せない人間関係、でも自分の言いたいことは伝えたい、そんな複雑な現代社会の中でも毒は吐きたい。できればエレガントに!
そんな本かと思っていたけれど、ちょっと内容は思ってたのと違ったかな。
ひたすら京都礼賛。イケズを京都に学びましょう、的な。
いや掴みはそこだけど後半は脳科学的??なところと結びつけてなにやらもっと実践的な・・・と期待したけれど結局そこで終わった。
残念。
江戸っ子であるということをやたらと卑下しているようだけれど、江戸っ子にコンプレックスを感じているのか?
いやでも過去帳たどれるほどの生粋の江戸っ子と繰り返しているあたりにそこはかとなく江戸っ子のプライドが見え隠れしてるけど。江戸っ子がそれなら他の地域の人はどうすれば・・とか思っちゃうけど。
『京都の上手なイケズは、(言われた方が)棺桶に入る時に気づくレベル』
というのはうまいことをいうなと思った。
あと「京都のイケズ」と「火事と喧嘩は江戸の華」との対比を地理的歴史的に考察しているのはなかなか興味深かった。
で結局読み終えての一番の感想は、
「京都人てめんどくさそう」

2023年11月26日

読書状況 読み終わった [2023年11月26日]
カテゴリ エッセイ

歴史小説、時代小説は好きだけど、小説で歴史を理解するのはどうなのか、と思っていたけど、『史実の見方を提示するのが歴史小説家』とあり、なるほど、と腑に落ちた。
圧倒的な読書量であらゆる歴史小説家を冷静に分析している著者はさすが。
これまで何となくイメージで敬遠していた作家も、この本の紹介で手に取ってみようかと思えたのはまんまと著者の策略にハマったのか?!

2023年12月5日

読書状況 読み終わった [2023年12月5日]
タグ

『くんのかい、こんのかい・・・』これは最高。
これを書くために1冊の本にしたんだろうなーと思うくらい。
まず右ページに今風現代語の超訳。
そして左ページに原文と簡単な解説と読んだ人贈られた人などの人物相関図。
今までの感覚だとまず原文ありきなのでは?と思うのでなんで右に原文が載せてないんだろう?と疑問を感じたのだが、違うのだ。まず超意訳ありきなのだ。
現代人がこんなふうに言っちゃうことと同じようなことを古代人も言ってるよ・・・・という見方。
だから、原文に散りばめられた掛詞や枕詞、隠喩だったりという技法を読み取ってしみじみと思いを馳せるとかいうような従来の読み込み方は不要なのである。
(一部yo!と韻を踏んでるものの扱いはあったけど)
でも万葉集というテーマで沢山の人に本を手に取らせたという功績はやっぱり大きいと思う。

2023年7月23日

読書状況 読み終わった [2023年7月22日]
カテゴリ 文芸

あっという間に読み終わった。
滋賀愛に溢れた一作。
成瀬のように"魂のパワー"が常人と違う人、ときどーきいるのよね。
確固たる自分を持っているから、他人と自分を比べることがない。どんな髪型をしていようが、どんな言葉遣いをしていようが(最初、武士か!と叫んじゃった)どうということはない。他人とつるんでなくても孤独と感じない。
作者の出身校を見てなるほどと思った。京大はそんなすごい魂のパワーを持った人がわんさかいそうだ。
私も成瀬のような人になりたかった。
私は高校大学と"孤高の人"を装おおうとしていたけどその実、内心では点を線で結んで自分のポジションを測る、大貫かえで側の人間だ。だからかえでの気持ちがよくわかる。
で、この作品は、そんな破天荒な成瀬が大事件を起こすとかいうわけではない。成瀬は自分の道をひたすらまっすぐ進む。それを親友というわけでもない幼馴染が半分傍観し、半分巻き込まれ、そんな日々がクールに淡々と描かれるだけ・・と見えて、実は少しずつお互いに化学変化が起きてたんだね、とほんのりとほっこりする読後感なのである。
あと、ミシガン乗ってみたい。将来滋賀旅行を計画するとしたら、真っ先にミシガン乗船をスケジュールに組む。

2023年6月22日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2023年6月22日]

口語訳で読みやすい・・・とはいえ、砕けすぎだろ??
河内弁?関西の人間ではないので途中で飽きた。出雲も大和も熊襲も相模もみんな河内弁じゃなくて違う言葉でも良かったのに。てか、"草生える"とか現代スラングでも面白かったかもね。
最後に言いたいのは武内宿禰お疲れ様でした!!
ちょー長生きの大王何代にも仕えてて大変だったよね。

2024年6月5日

読書状況 読み終わった [2024年6月5日]

秦漢時代の中国に異世界転生、あるいはタイムリープして24時間を過ごす中で、当時の中国の人たちの暮らし、風習を見ていこう、というテイの本。
三国志のような英雄モノなどでは決して描かれない、ごく普通の日常生活がどのように送られているのか、イケメンの定義とは?当時のトイレって?など、言われなければ気にならないけど、言われてみると気になるような内容が載っている。
すべて、史記や漢書にはじまり文選、呂氏春秋など膨大な一次資料に散らばる細々とした記述をピックアップし、考古学的資料による説明とともにまとめられている。
読んでいると自分が古代中国の町の中に迷い込んで、市井の人たちの暮らしを垣間見ている気分になれる。
興味深かったのは「イケメンでなくてもモテる例はあったけど、わざわざ史料として残っているというということはよほどの例外であったということ(イコールイケメンは正義)」「貧乏でも才能だけで栄達できた人はいたけどわざわざ史料に残ってるほどということはまず例外(やっぱり金持ちコネ社会)」なるほどそういう史料の捉え方があったかー。そして通常史料としては軽視されがちな志怪小説であっても、日常生活研究の史料としては十分に足るだけの価値のあるものであるという説明部分の記述から、著者の史料へあたる姿勢というものを垣間見ることができた。

2023年4月21日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2023年4月21日]
カテゴリ 歴史

静岡の10城を舞台にしたアンロソジー。
今や堀跡など遺構しか残っていない草生したような場所でも、かつてこんなドラマが繰り広げられていたかも、と思いを馳せながら訪れればまた楽しいかも、と思わせてくれる。
折しも大河ドラマでタイムリーな時代だけれど、ドラマでは描かれない、表には出てこないような人たちも必死に生きていたのだと胸が熱くなった。
・・・
けど!!!
なんで馬場美濃守を鉄砲隊に撃たれて死んだことにしたかなー???(諏訪原城)
馬場は設楽原の戦いの後、勝頼退却を見届けた後取って返して追ってに自ら首を与えたのです。
武将にとって死に様は己の名誉に関わるほど大事なことだと思う。
山県は撃たれて片手が使えなくなっても軍配を口に咥えて突撃を重ねて銃弾に倒れた。それもまた死に様。
でも馬場のそれは違う。
物語の流れ的にはそうするのが簡単だったのかもしれないけど、安易に変えていいものではなかった。
末裔の1人として非常に悔しく、残念だった。
そこだけが残念。

2023年3月18日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2023年3月18日]

こんなに読み進むのをもったいなく感じる本に出会ったのはすごく久々なことだ。

2022年5月23日

読書状況 読み終わった [2022年5月23日]
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13年前に買って途中でギブアップしたままだったのを、今回続編が出たことで再挑戦して読了。とはいえ、あまりに観念的、哲学的な難解さでまるでお経を読んでいるかのようだった(>_<;)頑張って読み進め、最後の1/20くらいの部分にきてカタルシス的な心境が湧き起こった。タイトル(アンブロークン・アロー)に集約されているような。納得。

2022年5月14日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2023年6月22日]

ますらおのタイプ別解説が非常に面白かった。

2022年3月31日

読書状況 読み終わった [2022年3月31日]

東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復彫刻研究室
別名「仏さま研究室」
その修士課程2年生の4人の修了製作である模刻のエピソードを中心に、仏さま研究室というものが、また仏像の保存修復とはどのように行われるものなのか、そもそもの修復の対象である仏像とは、それを信仰する人にとってどんな意味合いを持つものなのか、が描かれている。
仏像製作の歴史、南都仏師の誕生までのいきさつとか、おタクともいうべき熱い人たちの会話形式で説明されるため、なるほどーと、理解しやすい。
アイリの章、ちょっとスピリチュアル的な展開はどうか・・と思ったが、古より、仏像製作に携わった仏師たちがどのような思いで仏像を造り続けていたのかに思いをはせることが、保存修復だけでなく一般である私たちが仏像を鑑賞する際にも大事なことなのでは・・と思わせた。
あとシゲの章のカヤノキのエピソード、これはちょっと泣いた。

2022年1月20日

読書状況 読み終わった [2022年1月20日]
カテゴリ 文芸

政宗の小姓としてすぐ近くに仕えた者が、その臨終に際した実際に本人が見てきたものを記録した覚え書きを元に、原文を訳して解説が書かれたもの。
70歳という、当時ではかなり長生きをし、かつて覇を競った仲間がすべていなくなり、平和な治世となった中で、『遅れてきた戦国武将』と言われた伊達政宗が、自らの死期を悟り、どのように終活の日々を送り、どのように看取られていったかが克明に書かれている。
主君(家光)に最期の挨拶をし、嫡男と伊達家と家臣たちの安堵を確認し、最期は戦国武将らしく愛刀を抱えて最期を迎える。正室が同じ屋敷内にいるのに「あなたにはみっともない姿を見せたくないから」といって奥さんは臨終に立ち会えなかったの辛すぎる!
こうやって、国を治める武将とはかくあるべき、戦国の男はかくあるべきという姿を見ると、「武士の情けじゃ!」とかいって一時の激情に流されて自分はとっととおっ死んで家臣たちを路頭に迷わせたどこぞの某アサノなんちゃらなんて平和な世の中に生まれた生っちょろいナンチャッテ武士にしか見えない。
辞世の句が
「曇りなき 心の月を先立てて 浮世の闇を 照らしてぞ行く」
心の月というのはもちろん伊達政宗の兜の前立てについている月のことですね。
なんともカッコいいではないですか!
もういっちょ書くと、愛娘である牟宇(むう)姫の辞世の句が
「こしかたも 知らぬ身なれば 曇りなき 月をしるべに 西へこそ行け」
さぞかし偉大な自慢すべきお父さんだったのだろうなあと。あの世にいったら大好きなお父さんに会えると思うと死も怖くはなかっただろうなあと、 読んで思わず涙してしまいました。

2023年4月22日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2021年12月10日]

政宗は手紙魔で祐筆(代筆)使わずに直接書いて送ることが多く、現存する自筆の書状が数多く残っている。そのうちの代表的なものを写真・読み下し文・訳文とセットに解説を加えたのが今作。
自筆で手紙を書いていくうちにヒートアップしちゃってスペース足りなくなって余白に書きまくったり、やたらと追伸で念押ししたりと、伊達政宗の人間性がうかがえるような手紙が多い。 原本の写真が載っているので、政宗の息遣いまで感じられるようなところが良かった。
当主になったばかりの頃に叔父に宛てた、イキリまくった、青さ丸出しの手紙。
家臣片倉景綱に送った、"大事なことなので二度言いました"的な何度も念を押した手紙。
とても400年前を生きた人とは思えない、生き生きとした空気が溢れ出てくるような本でした。

2023年4月22日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2021年12月10日]

切ない。
救いがあるようで、ないようで、希望があるようで、ないような、どれもそんなお話。
『アルジャーノンに花束を』を思い起こさせるような『花うた』が一番心を締め付けたかな。
高い場所から街を見下ろしたら、たくさんの家の屋根が見える、その屋根の下では色んな人たちが色んな人生を生きている、物語に出てくるこんな人たちもいるのかもしれない、そんなふうに思わせる作品だった。

2022年1月24日

読書状況 読み終わった [2022年1月24日]

なんとなくわかってるつもりで、でも曖昧な、古代エジプトの歴史を、エジプトの地に人類が登場してから、プトレマイオス王朝が倒れてエジプト王朝が終焉を迎えるまでを通して書かれた歴史書。
エジプト学は日々新しい発見があるが、2021年の時点での最新の情報が詰め込まれている。文化史や宗教史についての記述はほぼなく、あくまでも『通史』であり、これをベースに文化・思想・宗教を理解すると、より理解がすすむのでないか。
巻末にカテゴリー別の文献紹介(一言紹介付き)やネットを利用した情報収集の紹介があるのもよい。

2022年1月30日

読書状況 読み終わった [2022年1月30日]
カテゴリ 歴史

イエスかノーか半分かシリーズの3作目。
映画も小説も、2作目3作目と続くにつれて惰性になっていくよねー・・というのが定説だけど2作目同様いい方向に裏切ってくれた。
潮の出自がまさかの・・・ちょっと風呂敷広げすぎじゃない?とも思うけど。
計の王子様度ハンパない。

2021年6月29日

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読書状況 読み終わった [2021年6月29日]
カテゴリ BL小説

イエスかノーか半分かシリーズの2作目。
1作目が素晴らしいと2作目はどうしてもそれより落ちるよね~というのが定説だけどそれをいい方向に裏切ってくれた。
計の不器用さというか面倒くささが炸裂。
はずみで就いてしまったアナウンサー業に対して悩み(本人その意識なし)、成長(本人その意識なし)する様子がなんとなーく流れるように描かれる。

2021年6月29日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2021年6月29日]
カテゴリ BL小説

直木賞候補にBL作家さんがいる、というのでその代表作を購入。
器用なのに不器用な国江田計がひたすらに愛おしい。
確かにBL作品なんだけど濡れ場も表現が抒情的で、表現の仕方や言葉の使い方など流石に直木賞ノミネート作家さんだけあると納得。
本作から7年経ったノミネート作品(スモールワールズ)も読みたくなりました。


でもちょっと納得いかないのが、ノンケの計があんなに簡単に潮とのコトに至れるだろうか?というとこ。

2021年6月29日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2021年6月21日]
カテゴリ BL小説

20年以上前に購入したものを再読。
比叡山の千日回峰行、十二年籠山行を満行された光永覚道大阿闍梨のインタビュー。
前半の大阿闍梨の生い立ちを読むに、やはりこんなに過酷な修行を成し遂げる人は少年の頃から並ではない考えを持っているのだなと思った。また、修行の一つ一つの話は本当に過酷で、特に9日間断食断水不眠不臥で堂に参篭する堂入りは限りなく死に近づく修行だった。そうやって死に近づき仏に近づく人だけが見えるもの、得られるものがあるのだろう。
常人では想像すらもできない世界だが、そんな大阿闍梨の話で、正行(本来の修行)の前に前準備としての前行を行うこと、その加減のできる前行の段階でどれだけ自分を追い込んでおくかで正行の成果やしんどさが変わってくる、という話は、我々普通の人間の中でもいえることなのではないか?と思った。
他にも「千日」回峰行といっても、実際に千日なのではなく、975日なのだということ。残り25日分を残した段階で終了する。まったく完遂させるわけではく残しておくことで修行は永遠に続くのだという

2021年6月17日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2020年4月20日]
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