居酒屋 (新潮文庫)

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本棚登録 : 591
レビュー : 59
著者 :
制作 : 古賀 照一 
reikoalbanyさん 文学   読み終わった 

ゾラは、多くの後続影響を与えた作家だ。この作品を読むと、日本の「耽美主義」とか、フランスの後続の作家の原点を見ることができる。わたしは元々モーパッサンが大好きで、その延長線上で読み始めた。

なんというか、救いの一切無い話。
若い頃、こういったヨーロッパ文学を好んで読んだ気がするけれど、今は、気分が暗くなるので、今はあんまり好きになれなかった。

男性が書いた女性像だからなのか、私自身がジェルヴェーズに一切入り込むことができなかった。ダメな男にはまって身を持ち崩すところは理解できなくもないけれど、堕落していく様子がイマイチなんで?と思ってしまって。

でも、きっと人間の堕落なんてこんなものかもしれない。今は、社会の制度や法律に守られ、堕落しないで踏みとどまることが比較的楽だけれど、社会制度が無いような時代、一生懸命働いても、老いて働けなくなったらどうなってしまうのか・・・。不安を打ち消すためにひたすら酒を飲む。明日を考えなくてもいいように。そんな酒がますます将来を不安なものにし、さらに酒を飲む。

人の幸福が素直に喜べないというよりむしろねたみの対象にしかできない人たち。妻を殴り殺し、さらには娘も暴力によって死に追いやり、それでも娘の死に嘆くアル中の男。女主人公には入り込めなかったけれど、そんな様々な人間模様がおどろおどろしく、生々しく描かれているところが本作品の魅力であろう。

ともかく読んでいて、気分が暗くなるので、もう読み続けたくない・・・と思いながら最後まで読んだが、次に「ナナ」(ジェルヴェーズの娘が主人公となっているゾラの作品)を読むかどうか、悩み中。大体内容はわかるし、(椿姫みたいな内容じゃないの?と思ってるんだけど・・・)どう考えても救いの無い作品のようだし、でも、この作品の中のナナがどのように成長するのか、どういう複線が張ってあるのか、興味がある。

レビュー投稿日
2011年10月7日
読了日
2011年10月7日
本棚登録日
2011年7月1日
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