古代中国の文明観―儒家・墨家・道家の論争 (岩波新書)

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本棚登録 : 61
レビュー : 10
著者 :
reinouさん ノンフィクション   読み終わった 

2005年刊行。
著者は東北大学大学院環境科学研究科教授。

 中国の古代、春秋戦国時代、百家争鳴とも諸子百家とも言われるが如く、様々な思想が世を席巻した。本書は、それら思想の、自然あるいは自然環境との向き合い方の違いを念頭に置きつつ、諸子百家の前史ともいうべき、殷周時代の思想を軽く概観し、その上で、その後の儒家・墨家・荘家の3種類の思想の内実を整理・解読して見せる。


 さて、内容を見るには、法家=秦帝国と、上下関係や支配構造を重んじない墨家とが相容れないというのは納得のそれであった。そういう意味で、もし古代の中華帝国が墨家的な発想を肯じていればどうか、というイフは想起してしまうところだ。

 本書では、法家思想を採用した始皇帝に対して、墨家思想家が真っ向から対峙したこと、それが、直接的には焚書坑儒、特に墨家へのそれを齎し、同思想の骨格が後世に広く伝承されなかったことを指摘している。
 もちろん、先の仮定は仮定である以上、意味あるものではないが、日本をはじめとし、中国王朝の影響下にある東アジア・東南アジアその他の地域における、経済・自然に対する発想が変わったのではないか。当然、大陸自体もまた、現在の儒家的発想から脱却した中心地域になったのではないか。
 もしそうだったら…。という想像は、それがたとえ詮無きことでもしてしまうのは個人的な性というものなのだろうか。

レビュー投稿日
2017年5月7日
読了日
2017年2月18日
本棚登録日
2017年5月7日
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