関ヶ原島津退き口 敵中突破三〇〇里 (学研新書)

  • 学研パブリッシング (2010年5月18日発売)
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感想 : 12

2010年刊行。関ヶ原合戦における最終局面での光輝、島津義弘による関ヶ原撤退戦。本書は、各種日記、合戦参加の足軽小者らによる書上、書状、覚書等から撤退戦の実相を検討。関ヶ原前段階(太守義久、秀吉・三成の引きある義弘、義久婿・義弘嫡男・宗家世子忠恒らの合従連衡、内訌)から義弘の薩摩帰還までを詳細に。特に義弘の西軍加担の根拠、①義弘嫡男かつ島津宗家の世子たる忠恒の妻、義久三女亀寿が大阪城下にて西軍の人質、②忠恒援助のためには亀寿保護が最優先、③家康指示の書付なく、伏見城の入城叶わず等の事情も明快に。
なお、文禄・慶長の役における戦友・主従関係が、関ヶ原にも影響しているというのは、彼らの人間模様を感じさせる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2017年1月23日
読了日 : 2017年1月23日
本棚登録日 : 2017年1月23日

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