リアルのゆくえ──おたく オタクはどう生きるか (講談社現代新書)

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本棚登録 : 553
レビュー : 60
reinouさん 対談   読み終わった 

2008年刊行。本書は大塚氏の東氏に対する苛立ちに満ちているが、その理由は実に得心できる。東氏の言動は、全体的に(根拠たる一文を本書から挙げにくい。この点は、この感想の説得力を失わせるのは百も承知だが)、読者(広義の。情報の受信者とも換言可能かなぁ)に対する無責任さが横溢している感が強いから。批評をメシの種にしている(つまり、印税という形で読者から金をもらい生活している)以上、この態度は許容しにくい。とはいえ、彼の抑制された言動は、ただのアジテーターに過ぎない他の人物よりは、はるかにマシかもしれないが…。
もっとも、NSAによる情報収集、ウィキリークスが暴露した問題を東はどう捉えるのか。権力者が容易に利用でき、かつそうとは大衆が知らないままでいられるシステムに対して、権力者側をいかに縛るのか。この問題を等閑視したような物言いは、ネオコン的自由主義経済学者と同様の心性を感じざるを得ない。また、言論空間がネットの反応のみとあるが、ネットの意義拡大とネット以外の空間の矮小化はともかく、言論空間のこの規定はあまりに無知ないし単純だと思う。年齢的には東の方に圧倒的に近いが、余りに遠い。

レビュー投稿日
2017年1月23日
読了日
2017年1月23日
本棚登録日
2017年1月23日
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