2011年(底本2008年)刊。
尖閣問題は底本にはなく新規とのこと。
沖縄戦後史だが、雑誌連載の集積なのでテーマは多岐に亘る。軍用地主、芸能、金融、沖縄独立論、基地問題と米軍人による強姦事件、琉球王朝家の戦後史等。
当然、感想も多岐に。
沖縄闇金の跳梁跋扈に驚く一方、サラ金の金利の低さにも。また、反戦地主とは異質の軍用地主、彼らや琉球王朝家の影響。米軍に対するアンビバレントな感情と基地経済の浸透度、その一方で地位協定の不備と米軍(特に海兵隊)が治安悪化要因という点は看過し得ず。
アングラを書かせたら読ませる著者らしい一書。
他にも、仲井真知事の悪い意味での官僚堅気、守屋武昌元防衛省事務次官や米国国務省・国防総省担当者が沖縄反戦運動を見る目線とは真逆の彼らの言動(沖縄の所謂弱者の戦略)=クロスリファレンスの意義を感得させる面もあり、多面的に沖縄を見ることができる。
個人的には模合(≒頼母子講)を含む金融史が一番興味を引いた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2017年1月21日
- 読了日 : 2017年1月21日
- 本棚登録日 : 2017年1月21日
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