1975年刊(改訂前底本1963年)。スペインの中南米征服模様を「鎖国」(和辻哲郎著)で読んだので、より細かい状況を見るべく、本書を読破。スペイン・インカとも内訌を抱えて判りづらい構図を、当時の報告書等の具体的記述を織り交ぜつつ叙述し、読みやすい。ピサロの成功が、圧倒的大軍を備えたインカ皇帝の油断を突いた点は成程の感。その後のスペイン人の略奪模様と、太陽神信仰を保全しようとしたインカ人の懸命の努力の様子も買い。全貌が把握されていないであろう天空のマチュピチュ遺跡の、静かだが厳かな佇まいが往時を物語るか。
読書状況:読み終わった
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ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2017年1月23日
- 読了日 : 2017年1月23日
- 本棚登録日 : 2017年1月23日
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