カリブ海の珊瑚礁に囲まれた小島、コキーナ。島のホテル『インディゴ・イン』の経営者ムーアは、貨物船の残骸を探索中に、不発のまま沈んでいた爆雷を掘り起こしてしまい、沈没した潜水艦を浮上させてしまう。港の手前で座礁した潜水艦の近くで「事故」が起こり、仕方なく島の造船所に繋留させるが、その日から原因不明の惨殺事件が続発する。ムーアと島の警察署長キップは、ドック内の潜水艦の内部に入り、そこで恐るべき惨状を目にする。……潜水艦は第二次大戦時、連合国軍から恐れられたナチス・ドイツの「海の悪魔」、Uボートだった。
Uボートが浮上し、乗組員(の亡霊)が殺戮を繰り広げるその理由、この作品では単なる怨念や復讐譚ではなく、とある闇の力が引金となってしまったという設定になっている。そこがやや目新しい?
地上の楽園ともいうべきコキーナ島が、亡霊たちによって地獄へと変貌していく過程とその描写は凄まじい。正体不明の海の怪物も恐ろしいが、やはり最も怖いのは人間(とそれが産み出したもの)ということか。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外ホラー/怪奇幻想
- 感想投稿日 : 2012年3月16日
- 読了日 : 2002年2月19日
- 本棚登録日 : 2010年4月14日
みんなの感想をみる