薔薇の渇き (新潮文庫)

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感想 : 10
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何世紀にも渡り生き続ける謎の貴婦人ミリアム。ここ180年ほどは元貴族のジョンを夫として連れ添っていたが、急激に老いの徴候が現れたジョンを目の当たりにし悩んでいた。それは何度も繰返してきたパートナーを失うことの前触れだった。折りしもサラ医師の、老衰学の新説を読んだミリアムはサラに接近し、ジョンの老化を食い止める方法と己の血の秘密を探ろうとする。

作品中は一度もその言葉が登場しないけれども、れっきとしたヴァンパイア・テーマの作品。だがこの作品の特色は、ミリアムのヴァンパイア像が他の同テーマの有名作品―例えばキング「呪われた町」のように悪魔的、反キリスト的存在でもなければ、アン・ライスが創造したヴァンパイア・レスタトのように人間の倫理を超越した存在ともまた違った描かれ方をしていることだろう。
昨年夏に邦訳の初版が出たものだが、原作が書かれたのは1981年。'83年にはT・スコット監督、C・ドヌーヴ、D・ボウィ、S・サランドンらの出演で映画化もされている(映画タイトルは「The Hunger」)。続編「ラスト・ヴァンパイア」が出たのを機に邦訳の運びとなったらしい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外ホラー/怪奇幻想
感想投稿日 : 2010年4月14日
読了日 : 2010年4月14日
本棚登録日 : 2010年4月14日

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