神無き月十番目の夜 (河出文庫―文芸コレクション)

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本棚登録 : 40
レビュー : 4
著者 :
るねさん 歴史・時代・伝奇小説   読み終わった 

17世紀初頭、北関東地方の一つの村が消えた。「サンリン」と呼ばれる聖なる場所で発見されたのは老人から赤子までの300余りの虐殺死体だった。誇り高き村民達の蜂起とそれにともなう一村皆伐。歴史の闇に葬られた忌まわしい大事件の記録。

なぜ彼らは蜂起し、そして惨たらしく殺されたのか、そこに至る過程が丹念に描かれている。新たに統治する側の論理に対して、苦しくとも適応しようとする者、従来までの論理に固執し誇りを保とうとする者…。その齟齬は疑心暗鬼を産み、悲劇の結末へと向かうことになる。

豊臣秀吉の天下統一と、その後の徳川家康による時代は概ね平和な時代(その後数十年は戦もあるのだが)というイメージがあったが、その陰には農民たちの苦難があったという事実を改めて突きつけられる。

重苦しく、やりきれない読後感の残る一冊。

レビュー投稿日
2012年3月14日
読了日
2001年6月20日
本棚登録日
2012年3月14日
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