この闇と光 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2014年11月21日発売)
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感想 : 409
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盲目の王女さまレイア姫の話、中世とか近代かと思ったら…いやはや。王女さまの成長とともに違和感が出てきて…。これ以上はネタバレ過ぎて書けない。

闇の中にありながら、「おとうさま」に与えられた言葉、物語、書物、音楽、イメージの世界は秀逸で、盲目であったからそれは尚更だ。俗なもの醜いもの(特にそういう魂)はより際立ってしまうよね。物語終盤に書かれた、主人公が求めた「真に己の魂を震わせる『美』であり、魂によって選び抜かれた『極上のもの』」に集約されている。「闇の中に在って、世界は何と美しく輝いていたことだろう!」

ミステリーに分類されると思うが、物語全体に漂う耽美な雰囲気がとても好き。皆川博子さんが解説を書いており、著者服部まゆみさんの他の著作にも興味が湧いた。作中に出てくる画家の絵も見てみたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2017年
感想投稿日 : 2017年6月10日
読了日 : 2017年6月10日
本棚登録日 : 2017年6月10日

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コメント 1件

ゆっきーさんのコメント
2017/06/13

読んだよー!アーッ!!ってなった:(;゙゚'ω゚'): レイア1の世界観私もすごい好きだー。作者の描写が素晴らしいね。

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