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毒入りチョコレート事件 (創元推理文庫 123-1)
- アントニイ・バークリー
- 東京創元社 / -
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最初からシェリンガム氏と同じ推理が正解だろうなと思って読んでいたので途中ででてきてがっくり。。でも、チタウィック氏の推理が始まってああ、この人かと犯人にはどうにか思い至った。遅いけど。
ちょっと翻訳が読みにくい気がしたけどそれなりに面白かった。他の作品もまた読んでもいい。
ちなみにこれも『ジェノサイド』と同様、近所の古本屋さんで百円だったもの。百円でかなり楽しめた。恐るべし、百円。
2012年12月15日
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鬼族狩り―封殺鬼選集
- 霜島ケイ
- 小学館 / -
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積ん読棚を整理していて見つけた作品。いつのだこれというくらい古いがなんだか軽いのが読みたくてちゃちゃっと読了。面白くなくもないけどどうやらこれがシリーズ第一作らしいが続きは…、いいや、という感じ。なんだか久々にラノベを読んだなぁ。
2012年11月19日
怖かった。そして凄かった。さらに面白かった。読みはじめから何度となくここから先は読めないと本を閉じた。タイトルを考えれば当然だが読んでいて耐えられないような描写も少なくない。こんな戦争を私は知らず、物語はフィクションでも容易に世界のさまざな場所で現実に起きていると訴えかけてきた。この物語の時間から8年が経っていてもだ。しかし本書は人間どうしの戦争を描いた作品ではない。ジェノサイドというタイトルも物語のなかで描かれた大量虐殺を代表して付されたものではない。何百年という緩やかな時間軸における人類滅亡の一つの要因が浅はかな人間から見ればジェノサイドとなるかもしれいということではないだろうか。
ラスト、アキリに日本の戦争放棄を疑われた。くしくも総選挙が近く今、放棄したはずの軍隊を再び手にしかねない不穏な空気が流れている。この物語を今読んで良かった。しかも、近くの古本屋さんでなぜか百円の大特価で手にいれたのだ。まさかの百円で現実と隣り合わせの濃密なエンタテイメントを楽しめた。本当に凄かった。ハイズマンのヒントがなくてもそれしか道がないからそこはあんまり謎でもなかったけれど。良かった、ケントがかび臭くなっただけで。良かった、彼らが生きていて。
2012年12月1日
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ヒノコ 1 (花とゆめCOMICS)
- 津田雅美
- 白泉社 / 2012年10月5日発売
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かなり面白い。ヒノコじゃなくてヒミコだと思っていたのでおお古代史!と期待してたらかなり違ったけどこれはこれですごくいい。結構好きな系統の話だからこの先が楽しみ。
あとなんとなくなるしまゆりの『鉄壱智』を思いだした。こっちは巫女で神様じゃないけど。
2012年11月12日
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式の前日 (フラワーコミックス)
- 穂積
- 小学館 / 2012年9月15日発売
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かなり良かった。ほんとに。すごくストーリーが上手い。線の太さがちょっと気にはなったけど絵も悪くない。でもバージンロード歩いてくれるってところで思わず泣いちゃったし、お父ちゃんがそうだったって気づいても泣いちゃったけど、そういう泣かせどころをおさえてるところがちょっとあざとくてすごく良かったけど☆はマイナス1で4つ。たしかに悪くないし泣いちゃうんだけどこういうのばっかりは通用しないからこれからどういう作品をかかれるか少し気にかけておきたい。
2012年11月12日
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能面殺人事件 新装版 高木彬光コレクション (光文社文庫)
- 高木彬光
- 光文社 / 2006年2月9日発売
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高木彬光は前々から読みたいと思っていてやっと一冊手に入れて今回初めて読んだのだが、これはかなり面白い。途中からこれはあれかと疑いはしたけどラストに実はちゃんと探偵してたとかさらに犯人追加とか予想外の部分も多くてかなり面白かった。ほかの作品もできればこの光文社の新装版で揃えたいけど半ば絶版状態で第一作の刺青殺人事件はちょっと高騰してたりするし手が出ない…。重版されないかなぁ。読みたいなぁ。とりあえずちょっとずつまた読んでいきたい。
2012年11月17日
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ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)
- エラリー・クイーン
- 東京創元社 / 2011年8月31日発売
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クイーンの国名シリーズ第1作目にしてデビュー作の新訳版。
高校時代国名シリーズに出会ってクイーンにはまり、クイーンはそれなりに読んできたが基本的に学校で借りて読んでいたので本棚に入っているのはほんの数冊しかない。そのなかの一冊がこれだが、新訳プラス有栖川有栖氏の解説につられて去年買ったきり積ん読かれていた。で、二作目の「フランス白粉の謎」が出たらしいという情報を後れ馳せながらキャッチしてようやっと手にしてみた。結果、犯人はなんとなくおぼえていたものの、大満足の本格ミステリという認識にはいささかもヒビが入らなかった。まあ、クイーンには(も)思い入れがかなり強いので★は甘いかもしれないがそんなことはかまやしない。
とまあそれはともかく。
角川からも国名シリーズが出てるみたいなのだけれど、あっちはどうなんだろう? あっちの訳は越前敏弥氏が共訳になってるみたいだから気になるんだ。越前氏は「ダ・ヴィンチコード」の訳の人だから、読みやすいんじゃなかろうかとクイーンではちょっと苦手なレーンシリーズもやっぱり角川から新訳で出されているし、それもまたすっかり忘れていたが気になってたんだった。
まあそれより、国名シリーズ第2弾が先かな? フランス白粉の謎ってどういう話だったか今のところまったく思い出せてないし次も楽しみだが、年一冊だとラストまで十年は追っかけろってことか?
あ、そういえば。
レーンシリーズで思い出したが、本作「ローマ帽子の謎」のなかにバーナビー・ロスの名前が出ていてちょっとびっくりした。当然、高校時代にはまったく気づいていなかった。さすがクイーン。
2012年10月27日
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リチャード三世 (新潮文庫)
- ウィリアム・シェイクスピア
- 新潮社 / 1974年1月30日発売
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薔薇戦争の終結。
シェイクスピアのなかでは結構好きな話。醜さとは。。
2012年10月23日
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長くつ下のピッピ (岩波少年文庫 14)
- アストリッド・リンドグレーン
- 岩波書店 / 2000年6月16日発売
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子どものころ、近所のおばさん、たぶん今の私と同じくらいの年の人にピッピに似てる、ピッピに似てると再三言われた記憶がある。それで興味を持って読んでみようと図書室で本を探したのだがなぜか見つけられず、そのまま忘れて大人になってしまった。しかし先日、古本屋さんでたまたま目について買ってみた。で、読んでみたのだが、はっきりいって似ていない。全然、似てない。私はもっとずっと弱虫で臆病で子どもだった。
世界一強い女の子は世界一やさしくて懐が深い。ピッピはたしかにお勉強はできないけど生きていく力は桁外れに強いし、子どもだけどお母さんみたいだ。
子どものころにこれを読んでいればわくわくどきどきしながら痛快に楽しんだろう。でも今読んで良かった。きっと子どもの私にはピッピの本当の強さは読み取れなかっただろうから。ピッピは強い。それはとてつもない包容力だ。
「長くつ下のピッピ」
「ピッピ船にのる」
「ピッピ南の島へ」全3巻。
2012年10月20日
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プリズム (ハヤカワ文庫JA)
- 神林長平
- 早川書房 / 1986年8月1日発売
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買ったのはいつだっけ? 3、4年、下手するともっと前だ。そのときに3分の2くらい読んでこりゃだめだ手に負えんと投げ出したまま積ん読棚でひっそりしていたのを引っ張り出してみた。前に読んでいたときは物凄く読みにくくてそれでも話としては面白いような気がして半分以上はどうにか読んだのだが、それも力尽きて投げ出してしまった。しかし、今読んでみればどうしたのかすらすら読める。読める読める。挫折してSFは向いてないんだと思い込んだのだが、ほっぽりだしていた数年でいつの間にやら読めるようになっていたらしい。面白かった。世界を制御するコンピュータと言葉。舞台と人物がリンクして形づくられる世界。最初読んだときになにが読みにくさの原因だったのかよくわからないくらいこの世界が近かった。もしかしたらこの世界の言語をいつのまにか獲得していたのかもしれない。
2012年10月18日
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シューマンの指 (100周年書き下ろし)
- 奥泉光
- 講談社 / 2010年7月23日発売
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読んでいるあいだじゅうずっとドビュッシーの月の光とシューマンのトロイメライとショパンのなぜか別れの曲がごたまぜになって頭のなかで鳴り続けていた。シューマンは本当に縁がなくてそれこそ子どもの情景くらいしか親しみがない。ということでシューマン論にもさほど興味はなかったがここで展開されていた音楽はそこにすでにあるとか面白い部分もあったけれど延々アナリーゼで話がちっとも進まないのにはちょっとついていけなくて読みかけであまり読まないSFや児童文学に浮気しつつどうにか読み進めた。ほんとに途中やめようかと思ったけど単行本で買ったきり文庫化するまでほっといてから読み始めた手前もったいなくてどうにか読了した。でも帯の煽りは完全に伊達だった。これってこういうことって思ったのは終盤も終盤、語りのきみが北海道旅行で先生とあったというところだったので基本的には騙されたけどああやられた! という嬉しい悔しさは皆無だった。帯にあったラスト20頁の衝撃なんてものはそりゃあ反則じゃんと思うくらいの感想はいだいたけれど面白いかといえばまったく面白くないしむしろ腹立たしかっただけだ。著者がシューマンを書きたかったのは解った。でもミステリをそこにねじ込むならもっとミステリを大切にしてほしい。最初の振りなんて結局謎でもなんでもないし、音楽ミステリプラス医療ミステリなのかって読み初めにわくわくした気持ちがわくわくし損で損害賠償を請求したいくらいだ。ほんと勘弁して。
それにしてもなんで単行本であるんだ、うちに。そうだ。自分で買ったんじゃないんだ。たしか当時、土曜日の昼間のテレビで紹介されて面白そうだって思っててちょうど人に買ってもらえるチャンスがあって買ってもらったんだ。そうか自腹は切ってないんだな。それならまだましか。でも、事前情報はあてにならない。特にブランチ。当たるときもあるような気もするけど買って読むと外れるんだよ、結構。というわけで腹が立ったという読後感はある意味で衝撃だった。
2012年10月22日
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ひばりの朝 1 (Feelコミックス)
- ヤマシタ・トモコ
- 祥伝社 / 2012年8月8日発売
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先生だけがたぶん正しいし、よく目が見えている、んだよね? あと、ちょっと怖い、けど、時系列がぐらんぐらんしてるところがまた良くて、でも怖い。次は動くのかな? 動かれるのも怖そうだが動かないと先がない。次を怖がりながら待つことにする。
2012年10月15日
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バスカヴィル家の犬 (創元推理文庫 101-7)
- コナン・ドイル
- 東京創元社 / 1993年10月1日発売
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この前読んだドン・ウインズロウの『ストリートキッズ』にイギリスのムーアが出てきて読みたくなったのだがホームズの長編で一番好きなのがこのバスカヴィルだ。創元の深町版を読んだあとだったし、新潮のも本棚に入っているけど実は延原訳はあんまり得意じゃないので今回は阿部版で。深町版は次回がこのバスカヴィルらしいんだけど来年には出るのかな? 早くでないかなぁ。
さて、バスカヴィルだ。これは昔NHKでやってたドラマがすごく良かった印象がある。原作にはないけどたしかワトスンがホームズを犬から助けるシーンがあってそのときのワトスンのあまりのかっこよさにかなりほだされた記憶が…。あれを見たあと読み返してそんなシーンないじゃんと思ったような気がするが今回もやっぱりない。ドラマ上の演出か、やっぱり。今度機会があったらドラマをまた見てみたいな。
て、これじゃあ本の感想じゃなくドラマの感想だが、バスカヴィルは面白い。ミステリとしてもいくつも伏線が張られてたり騙し打ちがあったりかなりまともだし、ドラマがあるし、二部構成じゃないし。それにかなりワトスンが活躍するし、ホームズに誉めてもらえるし!←
やっぱり長編ならバスカヴィル!
2012年10月15日
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シャーロック・ホームズの復活 (創元推理文庫)
- アーサー・コナン・ドイル
- 東京創元社 / 2012年6月29日発売
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創元の深町版新訳。
安定の深町版という感じ。なんだかここ数ヶ月ずっとホームズ熱が微熱みたく続いていて新刊が出ていたことに気づいて買って早速読んだ。帰還で生還で復活。つまり、帰ったきたシャーロック・ホームズ。
帰還、じゃなくて復活のなかで好きなのは六つのナポレオンかな。青い石榴石的で単純だけど昔から好き。あとプライアリースクールと三人の学生も。いや、第二の血痕もやっぱり好き。というかどれも嫌いじゃない。でも、踊る人形は名探偵のジレンマ的にちょっと苦手意識が昔からある。ポーの黄金虫が宝探しの冒険でひたひたと不気味な雰囲気を漂わせつつわくわくさせるのに対してこっちは一見親しみやすそうな人形の絵に隠されたおどろおどろしさが結局死人を出すし不吉で仕方ない。でもポーの素っ気ない上に解りにくい記号版よりこっちの踊る人形のほうが内容はともかく見栄えはいい。かな。あしながおじさんの挿し絵に似てるし。かなり違うけど…。
なんにせよ、ホームズはやっぱり最高。どんな欠点があっても減点不可で☆五つ!
2012年10月9日
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本のおかわりもう一冊 (桜庭一樹読書日記)
- 桜庭一樹
- 東京創元社 / 2012年9月27日発売
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ちょうど莫言氏のノーベル賞受賞のニュースが流れたころに氏の講演を聞きにいった話の辺りを読んでいたのは奇遇だった。とりあえず伊豆の踊り子と聊斎志異を心にとめておいて莫言氏ご自身の作品は今は後回しに。なんか違うんだ、読むタイミング的には。
さて、今作はこれまでの読書日記のなかで一番に読ませる日記だった。とても内容が濃い。それは3月の震災を桜庭一樹の範囲において記録しているからだけではない。なぜなら3月より前からすでに、最初から濃かったからだ。もちろん震災以降の日々には迫るものがあると感じたし、当日の本を読まずに寝たというその一言には物凄く衝撃を受けた。東北と比べれば東京も大したことはなかったのだろうがさらに離れた場所でいくらかの揺れを体験しただけであとはテレビの中継を見ながら届かない声で逃げて、いいから早く逃げてと叫んでいただけの私からすれば東京のあの日以降を記したこの日記にもやはり畏怖や身に詰まされるものがあり、私自身が過去に経験した地震による災害の記憶をも刺激されて駄目だろうとは思いつつも涙してしまった。だが、今作が濃いと感じたのは震災だけが理由ではないのはたしかだ。本書内で文学賞の選考委員となって批評するとはどういうことなのかを著者は語っているがそういう変化もこの読書日記に影響を与えているのかもしれない。
ただ、内容の濃さの反面なのか、増える一方だった読みたい作品につける付箋が今回は足踏みをしてかなり少なめとなった。一年のブランクもまた原因かもしれない。震災の影響があるような気がするのは私の思い過ごしだろうか。
2012年10月14日
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ストリート・キッズ (創元推理文庫)
- ドン・ウィンズロウ
- 東京創元社 / 1993年11月12日発売
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正直に、とても面白かった。少し落ち着いてから冷静に判断して減らしたのだけれど読了直後は勢いのまま☆5をつけたくらいにほんとうに面白かった。
ミステリ要素は薄いがそんなことは関係ない。ものすごい力でぐいぐい物語に引っ張り込まれてハラハラドキドキが止まらなかった。多少、余剰な書き込みを感じたのが☆を減らした理由だけれど500頁を飽きずに読ませる力量は翻訳の良さもあるかもしれないが素晴らしい。
それにメインキャラやらその関係やらもいい! 続き物だし、これから追っかけ読んでいきたい作品になった。
最後に、こちらもディヴァインに引き続き談話室でニコル様からご紹介いただいた作品でまたまた当たりで本当に嬉しい出会いでした! ニコル様のセンスに感服しきりです。
2012年10月2日
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人麻呂の暗号 (新潮文庫)
- 藤村由加
- 新潮社 / -
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jardin de luneさんのレビューで気になってなんとなく家のどこかで見かけたような気がして父の書棚を探ってみたら単行本が見つかったので読んでみた。ということで登録は表紙が表示される文庫だが読んだのは単行本の方。
内容は……、まあ面白いといえば面白い。特に最初のうちはなんだかわくわくしたし、これはアリかもと楽しめた。少しばかりドラマで聞きかじっただけでも韓国語と日本語に共通点があることは解るし、これもいささか異端的な学説らしいけどたしか大野晋氏が唱えた日本語のタミル語起源説でも韓国語を経由してたし、かなりアリな線だと思うのだけどどうも後半へと進むにつれて飽きがきた。そりゃあ千年以上も昔の話にミステリ的な解決を望むのは推測に推測を思いっきり重ねても無理だからしかたないけど、もうちょっと具体的なところがあがってくるかと期待してしまったぶんあてがはずれた感じ。証拠を提示すると作品中で意気込んでいるわりにどうだろうちょっと推測を重ね過ぎなのでは…、と思ったり。まあ、読み物としてならこれもありだ。もちろん学説やらなにやらは詳しくないし、評価を下せる頭もないけど。ただ、むしろ裏をかかずに今あるような万葉集の読み方のほうが単に個人的に好きだっていうのが、こういうのもアリだとは思いながらもいまいちのめり込めなかった理由かもしれない。万葉集は好きだ。特にそのおおらかさが。でも日本語と韓国語が近いことはたしかだし、こういう読み方をはなっから突き放すのは可能性を潰すことになるので否定はしない。面白いといえば面白いし。
2012年9月24日
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兄の殺人者 (創元推理文庫)
- D・M・ディヴァイン
- 東京創元社 / 2010年5月22日発売
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ディヴァイン二作目。どうやらこれが氏のデビュー作らしい。
これは、……いい。いや、これもだ。面白かった!
クリスティが最後までどきどきして楽しめたというが納得。とはいえ、途中で犯人はわかったけど、え、そっちそっちとミスリードが上手くていやこの人でしょとは思いながらももう一人死者が出る少し前までかなり揺れ動いてしまったし、ラストまでちゃんと面白かった。
なので今度はシリーズ物をと思ったが、それはないらしい。でも解説を読んで諦めがついた。シリーズ探偵物も好きだがディヴァイン作品はこれでいい。またそのうち再読しよう。
ちなみに、登場人物のファーガスンの名前の表現で“Sが二つ”と強調するところがあったのだがそれがどこかで同様の表現を用いていたような気がして気になっている。どこで読んだんだったっけ?
2012年9月17日
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もう卵は殺さない (マーガレットコミックス)
- 香魚子
- 集英社 / 2012年6月25日発売
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少し前にどこかでレビューを読んで面白そうだと思って購入したものの、最初の話の数頁を読んで一旦挫折し、積読化していたものをなんとなく手に取ってみた。
この作者の作品はこれが初めてだったが、うん、悪くなかった。評価的には、3プラスくらい。
表題作はひねりが効いてる感じの設定で面白い趣向だと思った。あとは幽霊ちゃんの話がいいかな。
なんだか久しぶりにまっとうな?少女漫画を読んだ気がする。
2012年9月5日
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散りしかたみに (角川文庫)
- 近藤史恵
- KADOKAWA / 2001年8月23日発売
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前作「ガーデン」とはまた変わって「ねむりねずみ」に引き続きの梨園物。
基本的にこういう雰囲気の作品は嫌いではない。むしろ、好きだが、今作はちょっと上滑りしたかもしれない。ミステリの手法にこだわった感があるからかな? もちろん、ミステリも好きだが、こういう雰囲気の作品なら犯人探しは二の次にもっとがっつり人物に迫りたいかも。。ミステリだから仕方ないけど、探偵側の目線より対象のほうをもっと描いてほしい。
でも、事件の幕引きが基本的には好きじゃないパターンで終わっているのだが、それはあまり気にならなかった。この人の作品はそうなのかもしれない。いつもなら残念に思うところだが、ちょっと想像したくない感じではあるけど悪くなかった。特に、ほかにいくらでも代わりはいる、と明記されてしまうあたりとか。
とりあえず、近藤史恵は小休止。また気が向いたら続きを読みたい。なにせ、読みやすいから。
2012年9月8日
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ガーデン (創元推理文庫)
- 近藤史恵
- 東京創元社 / 2002年12月12日発売
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時系列的にはこちらのほうが探偵今泉シリーズの第一作として出ていた「ねむりねずみ」より前だった、らしい。なんか読む順番間違った感じでちょっと違和感。
でも、すごく良かった。
思わず読んでる途中で引用に載せてしまったが、「好きな人がいる。だから殺さなくちゃならない」というせりふにもうすべてを持っていかれた。最終的には思い描いたなりゆきとは違ったが、こういう感覚はかなり好きだし、殺人の動機としても悪くはない。
それに、二重三重に罠がある感じでミステリとしても良かったし、嘘から出た真的設定も良い。
まあ、ちょっと暗いし、かなり寂しいし、結構落ち込みもするけど、彼女がとりあえず生き延びているからなんというか物語は終わらないみたいな感じで希望に似た希望とは少し違うものが残った感じ。それにいつもなら法令遵守が絶対みたいな感情が頭をもたげそうなところだけど今回はそんなにとんがってそういうふうには思わなかった。これも、私にとってはこの作品が魅力的だった証拠なのかもしれない。
そして、なによりこれでもかというくらい読みやすい。なぜだかすらすらさくさく読めてあっという間に読み終わった。近藤史恵の作品はどれもそうなのかな?
うん、面白かった。
2012年9月3日
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うた恋い。異聞 うた変。
- 杉田圭
- メディアファクトリー / 2012年8月3日発売
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面白い。これまでに描かれてきた人たちの裏話的な感じではっちゃけ具合もいい。
そして、やっぱり陽成院が好き。歌も好きだけど、このキャラがまた…。あと、藤原道雅と当子内親王の現代版が良かった。マジでそうあってほしい。個人的にうた恋いで描かれた悲恋のなかで一番つらかったから。
2012年9月1日
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裸で外には出られない (マーガレットコミックス)
- ヤマシタ・トモコ
- 集英社 / 2012年8月24日発売
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服に関するエッセイ漫画。短編も少し収録。
なんとなく買ってしまった。いや、ヤマシタトモコは好きだからいいんだけど、エッセイも面白いが別に買ってまで読まなくてもよかったかな。
短編は、まあまあ。でも、物凄く心惹かれはしない。女のひとのお肉に惹かれる話は悪くなかったけど。
2012年8月30日
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悪魔はすぐそこに (創元推理文庫)
- D.M.ディヴァイン
- 東京創元社 / 2007年9月22日発売
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談話室の好きな作家や作品を挙げるとおすすめを教えてもらえるという質問でニコル様からおすすめいただいたディヴァインの作品。談話室ではこれではなく「兄の殺人者」という作品を挙げていただいたのだが古本屋さんでこれしかなかったのでとりあえず買って読んでみた。そしてその結果、、は、はまりそう!
犯人は申し訳ないのだけれどまあ概ねそうだろうなと読み始めて早々に思い当たってしまったがそれでもなかなか確信は与えられず最後のほうではやっぱりかなと徐々に自信を深めたものの結構翻弄もされた。
あと視点がころころ変わるのがちょっと読み難くいがそれも演出の一つだし、そのぶん人物の胸のうちも追えるからしょうがないかな。
でも良かった。彼女にはちゃんと目を覚ましてもらってしあわせになってもらいたかったからほんと良かった。
というわけで面白かった。おすすめいただいたほかの作品も探しておいおい読んでいきたい。
2012年9月1日