増補 刑事司法とジェンダー

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  • インパクト出版会 (2020年10月30日発売)
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性暴力を巡る諸問題について、本書で初めて触れた。
厳格な要件を求める暴行脅迫、裁判でのセカンドレイプ、警察のキャンペーンが産んだ"被害者の責任"、決められた筋書きに沿って裁かれる加害者。ページを捲るたび、現制度に怒りを感じた。
性暴力は加害者の性欲によって起こるもので、生物として避けられないこと。だから被害者は防御に努めなければならない。こうした時代遅れの歪んだ認識により加害者は追及されず、被害者の責任に終始する。
そして、本書にある強姦加害者と著者のやりとりは、その歪んだ認識の裏に隠れた加害者に光を当てるものだった。裁判の筋書きとはまったく異なる心の内。自らの犯罪に対して言い訳を重ね、正当化し、果てには被害者を非難する様にとても驚いた。

性暴力は決して、自然発生した性欲の延長ではない。被害者のスティグマを利用して口封じをし、暴力を振るい、支配する。どう見ても明確な悪意から生まれるものである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年3月4日
読了日 : 2021年3月4日
本棚登録日 : 2021年2月2日

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