クンデラ一流の、心の襞を大に小に描き上げる技術は細部にまで冴え渡っている。
その上でも、これは特に気に入った。母親の縛りつけの描写の生々しさ、女性たちとの関係、他人からのレッテルがあまりに力を持ちすぎること、若さと死と革命の結びつき、などなど。
また、この小説は部分同士に因果論的・写実的結びつきが見られるように思う。他の作品が目的論的・構成的な結びつきがされているのと比べて。それもまた気に入ったところ。
手元に置いておきたいような。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2012年12月24日
- 読了日 : 2012年12月23日
- 本棚登録日 : 2012年12月24日
みんなの感想をみる