市九郎は妾を奪うために主人を殺害して逃亡、強盗殺人を繰り返す。
ゲス過ぎてしょうがないが、猛省し仏門に入る。
九州に渡り、通行の難所で何人もが命を落としている場所があり、そこでトンネルを掘ろうと決意する。
犯した罪は消えないが償うため周囲の嘲笑を受けても止めない。
次第にその懸命さに人々は心を動かされる。
もちろん罪は犯すべきではない。
罪を犯した人は更生できるのか、そして社会でも認められることができるのか、考えさせられる。
主人の息子が仇討ちに来る。
息子には大義名分がある。当然の報いだ。
しかしラストは、ほぉぉっと感心させられ
拍手したくなる。
この物語に出てくる九州の手掘りトンネルは大分県中津市本耶馬渓町に実在する「青の洞門」がモデルらしい。手掘り…気の遠くなるような作業だっただろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
名作 青空文庫
- 感想投稿日 : 2020年5月6日
- 読了日 : 2020年5月6日
- 本棚登録日 : 2020年5月6日
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