新版 放浪記

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本棚登録 : 50
レビュー : 9
著者 :
Eさん 名作 青空文庫   読み終わった 

外出自粛の今、いろんな所に行きたいなぁという気持ちが満たされるかなぁと軽い気持ちで選んだ。『放浪記』は森光子さんの舞台で有名で特徴的なのはあの"でんぐり返し"のシーンだ。あの場面では主人公も周りもみんな笑っているし、きっと明るい話だと思っていた。

いや、実際読んでみると…辛い。
主人公は親に男に貧困、空腹に悩む。
作家という夢を持ち続けるもうまく行かず職を転々とする。放浪というのは楽しい旅ではなく、いかに独身女性が一人で暮らしていくのは困難か伝わる。
安っぽいサクセスストーリーではないところがいいのかな。いいなぁと思う場面は友情。同じように生きることに苦労してる女性が多い。まるで戦友のよう。

主人公の性格、時々人生投げやりな状態になるところが私の若い頃に似ていて何だか恥ずかしくなる。
思い出す、あの頃を。
読みながら良くも悪くも自分自身の思い出も蘇ってきた。
昔も今も読者は共感し、ドキドキすることだろう。そこがベストセラーに繋がったのかな。

物語の中でも書いている『風琴と魚の町』は尾道を舞台に書いていてこれも自叙伝のような雰囲気があり、一緒に読むことをおすすめする。私は先に読んでみたけれど、後で読んでもいいと思う。

とにかく主人公はお腹を空かしていて、好きなものを食べられる現代が幸せだと思える。

レビュー投稿日
2020年4月21日
読了日
2020年4月21日
本棚登録日
2020年4月21日
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