ぼくは「つばめ」のデザイナー 九州新幹線800系誕生物語

  • 講談社 (2004年12月21日発売)
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本棚登録 : 122
感想 : 17
5

オンラインセミナーの予習として。
漢字には全てルビがふってあり、塗り絵が幾つもついていたり、図書館でも子供向けの棚にあったけれど、これは大人向けの本だと思う。とても充実した内容で想像以上に面白かった。とはいえ子供が読むことを意識しているため、たまに「新しいことをやろうとすると反対する人が必ずいます」とか丁寧に書いてあるのには笑ってしまったけど。

九州新幹線「つばめ」には乗ったことがなく、こんな素敵な新幹線があるなんて知らなかった。写真やストーリーを読んで是非乗ってみたくなったし、確かに「新幹線」は日本の技術なのに、それまでデザインに「和」を取り入れてこなかったことは不思議に思えてきた。

ヨーロッパ留学の話では、公共の空間をとても重要視していて私的な空間とはっきり区別しているという話、地元の素材で地元を構成することが街全体の統一感・調和につながるという話が面白かった。
2004年の本だけど「欧米デザインの真似をして満足する時代は終わった」「これからは日本人の感覚を思い起こし自然と共生しながら、日本というブランドを真剣に考え、進化させていくべき」という文には今もハッとさせられる。
「戦後日本人は自分や会社に対する勤勉さばかりで、社会に対する勤勉さを忘れてしまっている」という言葉はその通りで、自分も少し社会にサービスせねばと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年9月4日
読了日 : 2020年9月4日
本棚登録日 : 2020年9月4日

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