ぐるりのこと (新潮文庫)

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本棚登録 : 1754
レビュー : 155
著者 :
riko0225さん エッセイ   読み終わった 

てっきり映画の原作だと思っていたら全く関係ないエッセイ集でした。

目的を設定し、最小の労力でそれに辿り着く最短距離を考えるー(中略)何かをしたい、という情熱が育まれる以前に、「何かをするためのマニュアル」が与えられてしまう。

↑ここが一番ぐっときた。日本の教育について考察する場面なのだが、私は正にこの通りに育っていると思う。
著者はこういった教育を批判し切り捨てるのではなく、一定の理解を示しつつもっとなんとかならないものかと憂いている。
しかし、この短絡性を援助交際や恐喝などの犯罪に結びつけてしまったのは私には残念だった。
もっと「情熱を育む」という部分に焦点を当てて欲しかった。

著者はこれほど意識的に生活していくことに、疲れないのだろうか、と読んでいて心配になった。
自分で深く深く考えていても結局世界が変わることは(多分)ないのに。
何か行動を起こさないことに罪悪感を覚えたりしないのだろうか。
そう思うと同時に、著者にとっては作品を書いて世に発表するということが、行動を起こすことなのだ、と思った。

レビュー投稿日
2012年9月3日
読了日
2012年9月3日
本棚登録日
2012年9月3日
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