これは実際に沖縄県で起きた赤ちゃん取り違え事件の家族の話。

赤ちゃんが取り違えていたことが発覚して、その赤ちゃんたちが成人するまでを見守り続けた著者の記録でもある。
この事件は、子どもが6歳になるまで発覚しなかった上、その後子どもたちを交換してからも、様々な出来事が子どもや両親たちに巻き起こる。
事件が発覚してからそれぞれの両親は交換するべきか迷い、その後交換してからも自問自答を繰り返す日々。事実だからこそ、この家族の葛藤、苦悩、そして、嘆き苦しむ姿に、胸がつまりそうになる。
血のつながりのない子を6年間育ててきたことは、母親にとっては、かけがえのないものであり、育ての子、産んだ子のどちらも大切にしたいという気持ちが切々と伝わってくる。ただ、それは両方の母親ではなく、片方の母親だけだったことが、その後の家族、子どもたちとの関係に大きくかかわってくることが分かる。

複雑な家庭になりながらも、二人の少女がたくましく生きていく姿に救われる気持ちと、その少女たちをまさしく全身全霊で支え続けた家族の姿に感動させれた。

家族の愛情とは、血のつながりとは何なのかと深く考えさせられた。

2013年10月10日

読書状況 読み終わった [2013年10月10日]

野心をもって生きることを著者自らが身をもって証明している一冊。

自身の失敗談も踏まえた上で、野心をもち、高みに自分自身の意識をもって生きていくことの大切さ。厳しい言葉もあるけれど、わが子を励まし、勇気づける母親のようなあたたかさのある言葉たち。

安定も大切だけれど、自分自身にとってよりよい人生を送り続けるために、今すべきことは何なのかと考えるきっかけになった。

2013年8月15日

読書状況 読み終わった [2013年8月15日]
カテゴリ 生き方

心がくさくさした時に読むと、なんだか救われた気分になる。

吹き出し笑いが、気づけば、ずっと笑っている感じ。著者のとんでもない妄想や日常が書き綴られていて、一歩踏み入れると、ずぶずぶと引き込まれてしまう。

著者曰く、「覇気のない」「どうしようもない」生活をダラダラ続けて今に至るという事実。
誰しも、心の中ではだめだ、しっかりしなきゃ、真面目に生きなきゃと思いながらも、この本を読んで、「まぁいいか。」とほっとできる。

ほぼ家と飲み屋で繰り広げられる日常がこんなにも奇想天外で笑えるなんて…。

2013年7月16日

読書状況 読み終わった [2013年7月16日]

遠藤周作の作品の中から厳選された文章を集めて、テーマ別にまとめた一冊。

自分の心の中に抱えているモヤモヤがこれを読んで少しずつスッキリしていく感じがした。今の私に響いたのは、結婚や夫婦について、そして、教育についての幸福と不幸についての文章。

きっと読む人、年代によって響く言葉が違って、これからの人生で壁にぶつかったときに読みたい一冊。

2013年6月20日

読書状況 読み終わった [2013年6月20日]
カテゴリ 遠藤周作

長崎で青春時代を過ごし、それぞれの道へと進んでいった男女。一人は、スチュワーデスに、一人は愛する人のために罪を犯し、一人は、過激派グループの一員に…。

それぞれが自分の進むべき道はこれだと信じ、ただひたすら懸命に生きようとした姿はすがすがしかった。「美しいものと善いもの」がそれぞれの生き方を通して見えてくる。

若いからこそ、懸命に生きた姿に胸をうつ。

2013年5月24日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2013年5月24日]
カテゴリ 遠藤周作

女子大生とある夫婦との3人の関係を描いた物語。活動家の男子学生と付き合っていた中で出会った、不思議な夫婦。とても仲はよいけれど、お互いにお付き合いをする彼女や彼氏がいるという夫婦。
よく言う三角関係とは異なり、三人で過ごす時を重ねる中で、三人がひとつとなり、結びつきが布美子の心を揺さぶり、悲劇へとつながっていく。

最後の最後に、夫婦の現在の姿が描かれていることで、今もまだ布美子の思いは息づいているんだと分かり、胸がいっぱいになった。読んで決して汚らわしい感じやいやらしい感じが一切そぎ落とされて、美しい「恋」の姿を見た気がした。

2013年1月25日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2013年1月25日]

19歳の少女が異国の地で遂げた最期の真実。

フィクションではなく、ノンフィクションであるということ。事実は小説より奇なりというけれど、これほど胸を苦しまされることなはいかもしれない。誰が悪いとか、こうすればよかったと思うことは簡単だけれど、ただ事実だけを見つめ、真実を知ることがいかに難しくつらいことなのか。

誰にも頼れず、二人きりになって選んだ最期の時。もっと違う道はなかったのかと思いを巡らせることは簡単だけれど、少女にとってはこの道しかなかったのかもしれない。

切なくつらい気持ちであふれるけれど、最後まで読むと、なぜか重苦しい気持ちだけでなくて、なんだか清らかなものをみたような気持ちになった。

2012年11月21日

読書状況 読み終わった [2012年11月21日]

同僚の死をきっかけに、一人の銀行員が同僚の死の謎、その裏に隠された大きな闇に立ち向かっていく。

誰しも、銀行は馴染み深いものではあるけれど、窓口の向こう側は意外と知らないことだらけ。金が中心の仕事であり、それをただの仕事の道具とみる人と、自分のものにして権力まで手に入れようとする人。

謎を解いていくうちに、一人、また一人と犠牲者が出てくるが、なかなか真相がつかめず、最後まではらはらさせられる。金にこれほど人は振り回されてしまうのかと、ぞっとした。けれど、最後は主人公のしてきたこと、同僚の無念を少しでも晴らせたんじゃないかとすっきりすることができた気がする。

2012年11月16日

読書状況 読み終わった [2012年11月16日]

仕事に恋にまじめに生きる一人の女性の物語。

「運命」という言葉についてこの一冊を通して深く考えさせられた。女性にとって仕事、恋愛、結婚、妊娠、出産という節目節目に、どういう風に考え選択し、生きていくか。自分で考えに考えて選択したことでも後から後悔することもあれば、選択する余地もなくただ流されるしかない時もある。

選べなかった未来、選ばれなかった未来はどこにもない。未来など何一つ決まっていないのだらかこそ、女性にとって一つ一つの選択が運命だという言葉には胸を打たれた。女性にとって、29歳から40歳はきっと人生の中でも大きな変化があり、深く考え悩み選択する10年。それをこの一冊を通して、実感し、考えさせられた。

2012年9月7日

読書状況 読み終わった [2012年9月7日]
カテゴリ 日本の文学

長年インタビューしてきた経験から著者が感じた「聞く力」のポイントについて、とてもわかりやすく示してくれた一冊。

仕事でなくても、日常生活の中で誰もが気をつけたい、意識したいことが盛りだくさん。知ったかぶりをしない、自分のことばかり話さない、相手の話を注意深く聞く、などなど。簡単なことのようで、実はとっても難しいこと。それらを一つ一つ意識していけば、話をする人も、聞く人も有意義な時間を共に過ごすことができるはず。

毎日の生活の中で聞くことをもっと大切にしていきたいと思った。

2012年8月10日

読書状況 読み終わった [2012年8月10日]

今年100歳になられた著者の国語の授業方法と、これまでの人生をふりかえった一冊。

こんな先生に出会えば、きっと「国語」というものをもっともっと積極的に学ぶ人が増えるんだろうなと感じた。こういう国語教育の方法は、誰しも理想ではあるけれど、本当にやってきた橋本先生にはだただ感服。

「銀の匙」という一冊をじっくり読み進めること。たまに横道にそれながら、さまざまな知識を一人一人が深めていく。ただ、本を読むだけ、意味を知るだけ、漢字を覚えるだけ、ということではなくて、生徒たちが積極的に「銀の匙」という作品の世界に入っていく方法は本当にすばらしいと思った。

岩波ジュニア新書ということで、とても読みやすいので、本当に幅広い年代に読んで欲しい一冊。

2012年6月25日

読書状況 読み終わった [2012年6月25日]

タイトルのとおり、「正義」について、いろいろと考える一冊。

マイケル・サンデル氏による究極の問いかけに、読みすすめながら、う~んと考えさせられた。お金の問題から、命に関わる問題、政治や人種差別問題…。普段、何気なく生活していて、見過ごしがちだけれど、とっても大切なことをこの本から教わった。

一読しただけだと、私自身はまだまだ理解できていない部分も多いけれど、何度も繰り返し読み返して、誠実に生きて行きたいと思った。

2012年6月11日

読書状況 読み終わった [2012年6月11日]

全国で初めて教師による児童へのいじめと発表された事件の真相。

読んでいくと、事件の真相に驚かされるとともに、ニュースのあり方、自分自身のあり方について深く考えさせられた。

児童の立場に立って考えれば、そして、じっくり話を聞き出すことができたなら、これほど多くの人々を傷つけずにすんだのではないか。なぜ、これほどまでに保護者の意見を人々は信じ、流されてしまったのか。学校の管理職から始まり、教育委員会、新聞記者、弁護士、精神科医……。冷静になって、どうして子どもと教師の話を聞くことができなかったのか。たくさんの何故?がわき起こってくる。

今でいうなら、モンスターペアレンツに周りの大人たちが振り回されたようにも見えるが、冷静な判断に欠いた他の多くの大人たちにもきっと原因はあるはず。この著者のように声を上げる人がもっと多くなれば、理不尽な制裁を受ける加害者が減っていく気がする。

そして、すぐに悪者を決めつけようとする今の社会の流れがここに凝縮されているよう。また、被害者に対して過度な感情を寄せ冷静な判断を欠いた大人たち、自分自身の非を認めない大人たち。本当に様々なことを考えさせられた。

たくさんの人にこの本を読んで、考えてほしくなる。

2012年3月10日

読書状況 読み終わった [2012年3月10日]

東日本大震災のチャリティー同人誌の文庫化。女性作家10人による作品集。

女性による女性のものがたり。
どれも、十人十色で、ころころ色が変わってタイトルのようにきれいで可愛い花束のよう。

切なかったり、悲しかったり、むかついたり、女の子の心は移ろいやすいけれど、この本を読むと、気持ちがスッキリと晴れやかになる。この作品に込められたたくさんの想いを受け止めて、明日の光へと繋げていきたいと思った。

ぜひたくさんのひとに読んで欲しい一冊。

2012年3月7日

読書状況 読み終わった [2012年3月7日]

この本に出てくるのは、様々な映画作品。有名無名を問わず、いろいろと取り上げられて、著者の感想や思い出と共に語られる。

私にとっては、見た作品よりも、見たことのない作品の方が圧倒的に多かった。けれど、読んでいるうちに、とても観たくなりいくつかは実際に観て、より作品の世界に浸ることができた。

タイトルからは切ない感じを受けるけれど、読んだり観たりすれば、きっとそれ以上のたくさんの思いを感じることができるはず。

映画好きでもそうでなくても、きっと新しい発見ができる一冊。

2012年2月25日

読書状況 読み終わった [2012年2月25日]

女にとって不倫はあこがれ?!男にとって不倫は浮気と似て非なるものであり、結婚した男にとってはあくまで妻が第一であることに変わりない。男と女はこんなにも違うモノなんだと、実感したり、驚いたり。

「不倫」と聞くと、どろどろした感じを思い浮かべるけれど、この中に出てくる男女はなんとなく憎めない。くすっと笑えて、時々むかっとして、こんな妻にはならないようにしたいなと思ったり。気楽に読んで、我が身を振り返る一冊。

2012年2月22日

読書状況 読み終わった [2012年2月22日]
カテゴリ 日本の文学

とにかくすごい。「ゼネコン」って「?」だった私が一気にこの作品世界に引き込まれて読み進めた。まだまだ青臭い熱血漢の平太の姿に共感しつつも、それだけじゃ仕事はできないという周りの大人の言葉にもうなずきながら読んだ。談合というものが果たして必要悪か、単なる悪なのか、自問自答しながら結末に向かっていった。そのほかにも、平太と先輩との間で揺れる彼女の姿も印象的だった。
様々な人の思いが渦巻くなかで、談合がどういう結末に至るのかが最後まで予想がつかないジェットコースターのような作品だった。

2012年1月20日

読書状況 読み終わった [2012年1月20日]
カテゴリ 日本の文学

とても客観的に戦争、そして俘虜というものを論じている一冊。生と死の間で、ここまで冷静に客観的に自分を見つめていることに驚いた。
そして、さらに著者が俘虜と言う立場に置かれてからの人間観察。目上の者に阿諛し、目下の者にはえらそうに振舞う人。男ばかりの収容所で女形を演じるようになった俘虜。米雑誌を見ていたためか、日本人女性の姿に魅力を感じなくなっていた自分。
戦後に生まれた私には計り知れないことばかりだけれど、この本を読んだことで、俘虜と言うものに対する考えがいい意味でも悪い意味でも少し変わった気がする。

2011年9月8日

読書状況 読み終わった [2011年9月8日]
カテゴリ 日本の文学

映画以上に迫力と悲惨さ、繊細さがないまぜになった一冊。大場大尉と戦った米軍兵士が書いているというのも興味深い点。大場大尉との度重なる考察を踏まえてはいるが、やはり、著者の大場隊に対する尊敬の念は文章からひしひしと感じられた。
最後まで自分の部下たちを大切に思う大意の姿と最後の投降シーンは本当に胸がいっぱいになった。
大場隊のように必死に生きた兵士たちがいて、今の日本、私たちがあると思うと、いろいろと考えさせられる作品。

2011年8月8日

読書状況 読み終わった [2011年8月8日]

遠藤周作というと、文学作品を多く読んでいたので、エッセイは新鮮で、くすくす笑わせられた。
 終始、いたずら好きでお茶目な作家さんという感じで、今まで私が知らなかった一面を見ることができた気がする。
 「ぐうたら社会学」というタイトルだけれど、読み進める中でグサッと胸に刺さる言葉も多々あった。
 中でも、作者が語っていた、人と人のつながりの笑いが自然で大切だということ。これからの時代に大切になってくると語っていたのは印象的。50年たった今は昔以上につながりが希薄になっているゆえ、このことは大切にしたいと切に感じた。

2011年8月3日

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読書状況 読み終わった [2011年8月3日]
カテゴリ 遠藤周作

イタリア、インド、インドネシアを一年かけて、「食べて、祈って、恋をして」いった体験エッセイ。
身も心もぼろぼろになり、離婚をし、恋人も失い、お金も失ってなにもかも無くした著者が、旅行をしながら少しずつ自分を取り戻し、新たな自分に気づいていく。
初めはイタリアで食べてばっかり、次のインドではどん底まで落ち込んだ末に何かを見出し、最後のインドネシアで、生涯の伴侶となるべく愛する人に出会う。
インドまでは、著者の心情のようになかなか先へと読み進めなかったけど、インドネシアに入った途端最後まであっという間に読み終わった。
うじうじ悩んでいる人にお勧めの一冊。

2011年7月17日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2011年7月17日]
カテゴリ 外国の文学

今でこそ韓国は身近な存在で、ハングルを学ぼうとする人も学んでいる人も多い。けれど、30年ほど前に、韓国との関係もまだまだ今のような関係とはいえなかった世の中で、著者はハングルを学ぶことに決め、ただひたすら学んだことにまず頭が下がる思い。
詩人ならではのハングルと日本語の意外な共通点にはとっても興味がわいた。
それと同時に、隣国との間で日本が戦時中にしてきたこと、朝鮮戦争で半島が二つに分かれて、哀しい現実が今もなお続いていることは忘れてはならないと感じさせられた。
ハングルをより身近により一層学びたいと思った。
著者が今もなお生きていたら……こんな風に日本が韓国ブームで盛り上がることを予想していたのだろうか?きっと今もなお生きていたら喜ばれただろうなぁと感じる一冊。

2011年7月11日

読書状況 読み終わった [2011年7月11日]

読んだ後に心が温かくなる一冊。

声を失った倫子が、お客さんと会って、その人だけのために心をこめて料理を作る。どんな人も倫子の料理を食べるといろんな変化が訪れる。

最後まで次々と生み出される倫子の丁寧な料理に本当につばを飲み込んでしまう。そして、倫子の声は本当にもう出ないのか・・・・・・いろいろな思いを巡らしながら読んだ。

2011年7月5日

読書状況 読み終わった [2011年7月5日]
カテゴリ 日本の文学

朝日新聞の日曜書評をきっかけに読み始める。明治時代ということもあり、思った以上に言葉がわからずなかなか読み進められなかった。

主人の家に飼われることになった、猫「我輩」を通して、さまざまな人間模様、猫仲間の様子を客観的に見ることができる。

とにかく日常に起こるささいな出来事や主人の考え方が次々と語られていく感じで、一貫性があるという感じではなかった。そして、意外な猫「我輩」の結末。

2011年7月5日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2011年7月5日]
カテゴリ 日本の文学
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