柔かい月 (河出文庫)

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本棚登録 : 325
レビュー : 33
制作 : Italo Calvino  脇 功 
Ritual_TANIYAMAさん SF   読み終わった 

第一部は『柔らかい月』『結晶』が好きです。多分、そのあたりの方面の勉強をしていたからでしょうか。知らなくても美しさだけは解る。『鳥の起源』は手塚漫画で再生された。これは記述法による部分が大きいだろう。
第二部はイメージの奔流に飲まれて読んだ。この手の知識が無いのも要因だけれど。まるで「君」と「僕」のような語り口でとんでもなく変な事を描いているなと。第一部よりその深化は進む。最近の国内だと舞城王太郎か円城塔を想起するのは僕の読書量がすくない所為か。
第三部ティ・ゼロ『ティ・ゼロ』が愉しくて仕方ない。なんとなく実家に帰ってきた感じでほっとする。ぐっと読みやすくなった。つまるところ知識のバックグラウンドの所為だ。再度書くことになったが、ここまででも心から愉しめたのは『柔かい月』『結晶』なので、基本的にバックグラウンドを共有できるとより愉しめるのだと思う。『追跡』『夜の運転者』などは描写の偏執的加減が「中二階」を彷彿とさせ、また『南部高速道路』を思い出したりする。そこに科学的な視点(ただし、科学的に考察しているのではなく、科学的なものからの視点という試みであるが)が顕著なので読書感はまたちがったものである。基本、詩を読むような軽さがあるのでそれがこの書の美点だと思う。

レビュー投稿日
2015年6月27日
読了日
2015年6月27日
本棚登録日
2015年2月11日
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