怖い絵 死と乙女篇 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年8月25日発売)
4.02
  • (61)
  • (100)
  • (44)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 1217
感想 : 71
4

レオナルド・ダ・ヴィンチの絵はミステリーを見ているみたいで、パーツが符号していく瞬間に快感を覚えずにはいられない。まだ色々な謎や秘密が隠されているのではないかと前のめりになってしまう魅力がある。
アンソールの絵にはグッとくるものがある。描かれた仮面には表情がある。その仮面こそ人間らしいのかもしれない。敵意と自己陶酔と自虐性が複雑に入れ替わる感情があらわされた作品のように感じる。
ゴヤの絵は、見て感じた思いを上手く言葉にできない。実物を見たら離れられなくなるかもしれない。
この本を読んでいくうちに、絵画の楽しみ方の、自分なりのコツが分かってきた。時折、画家の意図に射抜かれるような感覚にハッとする。
知らなかった歴史の裏側を身近に感じさせてくれるような知識が随所に埋め込まれている。人間の一生は思ったより劇的かもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説以外
感想投稿日 : 2018年1月11日
読了日 : 2018年1月11日
本棚登録日 : 2017年10月19日

みんなの感想をみる

ツイートする