界的な「食の格付け本」の「格付け人」、牧村紗英。
退職して独立し、シングルマザーとして働く彼女が、絶対的な味覚と知識を駆使し、グルメ業界の闇を暴く。
本日の調査対象は人気厨房に酒蔵、そして鮨!
女性の憧れの的。フランスで料理修行をしたカリスマ料理人は管理栄養士の資格すら持っていない、経歴詐称の元アイドル。
市場ではプレミア価格がついて一本数万円で取引される人気の日本酒をつくる酒蔵は、自分のところでは一滴も作っておらず、桶買いした酒を販売しているだけのハリボテだった。
銀座で人気の大箱寿司店は、密輸した魚を供するという犯罪に手を染めていた。
これらの悪事を決して許せない「正義の味方」が、格付けチームの紗英たち。
快刀乱麻の推理と行動力、確かな舌で真相にたどり着く。
テンポも良く読みやすいし、ストーリーも単純明快で面白い。キャラクターも魅力的でマル。
良質のエンタメ小説であるのは間違いない。
ひとつ残念なのは真相が結構早々と読者にわかってしまうこと。
作者の意図的には、物語のポイントをそこに置いていないのかもしれないけれど、真相をうまく隠して最後に種明かしをすれば「日常の謎」ミステリ的な面白さもあったのになあ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説/一般/中短編
- 感想投稿日 : 2021年4月24日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2021年4月23日
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