氷上のフェニックス (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2020年12月24日発売)
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本棚登録 : 51
感想 : 5
3

フィギュアスケートに人生をかけた青年たちの物語です。

手に汗握る戦いを描いているのかなと思いましたが、どっちかというと青年たちのメンタル面を中心に描かれています。試合の描写はトントン拍子で展開していくので、熱き戦いというよりは、「記録」として描かれている印象でした。個人的には、その辺りの描写を詳細に描いてほしかったです。
また、作者はスポーツライターとして活躍されていることもあり、スケートの知識は豊富かと思いますが、あまりスケートについてわからない人にとっては、もう少し詳しく
教えてほしかったです。サルコウやループといった技の違いが個人的にあまりわからなかったので、試合での魅力が難解でした。
また、○○オリンピックが登場しますが、おそらく実際のオリンピックと異なって描かれているかと思います。モスクワやバルセロナといった昭和から平成の時代に起きているのに小説の中では、スマホが登場したり、冬季なのに夏季のオリンピック?だったので、混乱してしまいました。
なので、全て架空のオリンピックということで自己解決しました。


登場人物の心理描写に着目すると、挫折や葛藤、嫉妬といったフィギュアスケーターならではの悩みがふんだんに盛り込まれていました。普段目にする選手たちも、こういった経験をされていると思うと、精神面はハンパないなと思ってしまいました。
幼馴染でもあり、ライバルでもある2人が、時に良き友であったり、ケンカをしたりとドラマのような展開になっていきますが、そこには青春を感じさせる爽やかさもあり、面白かったです。
2人のほかに様々な選手や個性的なコーチが登場し、話を盛り上げてくれます。
フィギュアスケートの新しい一面を垣間見た作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2021年1月
感想投稿日 : 2021年1月14日
読了日 : 2021年1月13日
本棚登録日 : 2021年1月13日

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