この気持ちもいつか忘れる CD付・先行限定版

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本棚登録 : 490
レビュー : 19
著者 :
robin1101さん 2020年9月   読み終わった 

読み手によっては、解釈が様々に分かれるのではないかと思いました。

全体の構成としては、第一部の高校生編と第二部の30代編に分かれています。
第一部では、高校生・カヤがランニング中に使われていないバス停の待合室で休憩していたら、突然女性の声が。そして緑色の光を放つ物体が現れる。しかし、見えるのは爪と目の部分しか光を放っていない。話を聞いているうちに異世界の少女なのではと思っていきます。声と爪と目だけしか登場しないヒロインは、斬新な設定でしたが、色々想像をかき立てられました。少女との話も大事なところは✖️✖️表示なので、気になりました。

第二部では、カヤが30代になった話です。第一部の最後は急にテレビの電源を消すかのように終わり、第二部に変わったので、え?どういう事?あの少女はどうなったの?と疑問を持ったまま、時が過ぎていました。高校の同級生と再会し、付き合うのですが・・・。


最初、読んだ段階では異世界ファンタジー?と思いましたが、次第に恋愛になったり、群像劇になったりと大きくまとめると「恋愛小説」でした。
カヤは、「青くて痛くて脆い」の主人公を彷彿させるような人物で、平凡な毎日に一石を投じたいけれども、何かもどかしく、内に秘めている感情を爆発させたい雰囲気が溢れています。
しかし、少女のために頑張る姿は、純真で真っ直ぐな心を持つ男に見えてきます。時には度を超えた行動をしたり、時には少女に恋をしたりと青春群像劇として楽しめました。特に少女とのシーンはドキドキで甘酸っぱかったです。
でも、純真が故に様々な行動が、嫉妬や自責の念へと繋がっていくので、カヤの心の揺れ動きが繊細でした。

色んな疑問を残したままの第一部終了でしたので、高校生編のエピソードが、どう繋がるのか第二部が楽しみでした。
最初は恋愛の雰囲気があったのですが、段々とカヤの心が揺れ動いていきます。
そう考えると、少女とのエピソードは妄想?それとも現実?という疑問が湧いていきます。段々と剥がれていくカヤの思いが痛々しかったです。
それからの最後のライブシーンは、潤いが心に入っていくようで、ちょっとした感動がありました。
結局、少女とのエピソードは本当なのか?読者としては様々な解釈があるのではと思いました。
カヤの内なる叫びや誰かのために奔走する真っ直ぐな心など色んな心理描写を楽しめる作品でした。

この本の先行限定版では、付属としてTHE BACK HORNの楽曲CDが入ってます。
聴いてみるとロック調の曲で、カヤの叫びたい思いと相まっていました。

レビュー投稿日
2020年9月16日
読了日
2020年9月15日
本棚登録日
2020年9月14日
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