少女ティック 下弦の月は謎を照らす

著者 :
  • 行舟文化 (2021年1月15日発売)
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本棚登録 : 34
感想 : 5
4

表紙のイメージとは違い、監禁や殺人といった重いテーマを扱っていて、驚きでした。しかし、子供が視点なのか、文章が明るめな特徴なのか、そんなに重い気持ちにはなりませんでした。その辺のアンバランスさが後を引く面白さでした。

全4話で、主人公・瑠奈(小学5年生)の1年間を春夏秋冬に分けて描かれていますが、1年間にしては濃密な経験をされています。各話ごとに完結された出来事があるのですが、表面的にはほっこりとした雰囲気を醸しています。

第1話 少女探偵の脱出劇
第2話 少女探偵の自由研究
第3話 少女探偵の運動会
第4話 少女探偵と凍死体

上記を見ると、お茶目な感じの物語なのかと思いきや、よくよく読んでみると、ディープな内容を取り扱っていて、複雑な気持ちでした。小学生にしては重いです・・・。

特に第3話のラストが衝撃的であり、ゾワリとした気持ちにさせてくれました。「続きは・・・?」とした気持ちはあるものの、表紙の綺麗さとは180度違った雰囲気にある意味恐怖を感じました。文章は綺麗だけど、中身はディープ。脳と心が一致していないかのように読了後は、終始不安定な気持ちになりました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2021年1月
感想投稿日 : 2021年1月21日
読了日 : 2021年1月20日
本棚登録日 : 2021年1月20日

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