六番目の小夜子 (新潮文庫)

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本棚登録 : 12721
レビュー : 1488
著者 :
灯 六鹿さん 所有(文庫)   読み終わった 

昔NHKのドラマで見ていた時、すごく怖くて、でもなぜか惹かれて、「中学校」ってこういうドキドキする場所なのかなぁと思っていた記憶がある。(ドラマは中学校だった)
「学校」も、「小夜子」という名前も魔力を持ってる。
七不思議や怖い話は怖いけれど皆惹かれていく。
そういうものに似ていると思う。

小夜子、と表題にあるのに一回も本編では小夜子という漢字は出てこない(と思う。違ったらごめんなさい)。
沙世子かサヨコ。
ずっと不思議だったのだけれど調べて見たら答えがありました。
晶文社 土曜日は灰色の馬
恩田陸 web連載
第2回目 恐るべき少女たち
http://www.shobunsha.co.jp/?page_id=1962

恩田さんの中にはサヨコのイメージがあったんですね。

学校の閉じられた空間、閉塞感、そういったものが凄くまざまざと感じられて校舎の匂いを思い出すようなそんなお話でした。
ドラマと違った展開や登場人物もまたよかった。
演劇シーンはもちろん、私が一番怖いと思ったのは沙世子の持っている人をコントロール出来るという部分。
あれは多分持って生まれたものだろうけど、あれが一番怖い気がする。
私も多分沙世子に似ていて、人と話しているといつも人の話ばかりを聞いていて、結果的に悩み事ばかりを聞いてあげているという図式ができていたりする。
ここで沙世子と違うのはそれはそれとして利用するのではなく、私がそのコントロールに耐えられなくなって面倒になってしまうという幼さが出てしまうこと(笑)
私がいつも聞いてることに気がついてる?私の話ししてないのは知ってる?わかってくれてる?と言いたくなってしまうこと。
私がいなくなったら体のいい人がいなくなっただけにしかきっと思われないんだろうなと面白く無く思ってしまうこと。
沙世子のように割り切れていない。
でも割り切れてしまうことも怖いと思う。
『六月の夜と昼のあわいに』の翳りゆく部屋のような。
そんな気持ち。

川に石を投げ入れたって、あとで拾いに行くわけじゃないもんな。
この表現はどきりとして好きでした。

レビュー投稿日
2017年8月25日
読了日
2017年8月23日
本棚登録日
2017年8月21日
3
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