『六番目の小夜子』の番外編があるということで読んだのだけれど、これはこれで読んでとても良かったと思える作品だった。
実際恩田陸さんの作品は、『私の家では何も起こらない』『六月の夜と昼のあわいに』『六番目の小夜子』そして今回の『図書室の海』と4作しか読んでいないし、長編作品をそんなに読んでいないので全体像がまだつかめていないのだけれど、短編それぞれのテーマのようなものがとても好きで惹かれるなぁと思う。
いろんな描き方があるけれど、恩田さんは風景描写が緻密だなぁと思う。
読んでいると頭の中にぶわぁっとその風景が自動的に浮かび上がってくる。それは私が空想したものでもあるけれど、恩田さんの手によって導かれたに近い感覚。
イサオ・オサリヴァンを捜して
睡蓮
ある映画の記憶
国境の南
ノスタルジア
が好きでした。
中でもノスタルジアが一番好きかもしれない。
どきりとして、切ない。
でも強いメッセージも感じる気がする。
ピクニックの準備は、読みながらふと「夜」、「ピクニック」とキーワード的に(あ!夜のピクニック!そうか、あれって恩田さんの!うわぁ!)と思い、思わず読みたい本へ登録。
まだまだ知らない、読んでいない本があるので、こういう出会いは嬉しい。
睡蓮も『蜜の眠り』に繋がる話のようで、ここから作品に入るのもいいなぁと思う。
忘れられない風景や匂い、音がある。
それは説明しようとしても簡単には伝えられない、私の細胞、血のようなもの。
そういう物で私は出来ていて、そういうも物に私は支えられていて、そういう物に泣かされていくんだろうと思う。
- 感想投稿日 : 2017年8月28日
- 読了日 : 2017年8月28日
- 本棚登録日 : 2017年8月26日
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