仙姫午睡 (講談社X文庫―ホワイトハート)

著者 :
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感想 : 4
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 第九回ホワイトハート大賞「佳作」受賞作。

 人魚の肉を食べて不老不死になったという八百比丘尼の伝説をモチーフにした作品。最後は岩窟で断食して果てたということになっている伝説のその後を書きます。
 鎌倉に暮らす高校生の泉は、自分の記憶と自分に対する家族の態度に不審を感じていた。そしてある日、不思議な青年が彼女に会いに来る。その青年を、泉は知っているような気がして……。
 そうして主人公泉の日常が崩れ、彼女は自分の正体を知り、そしてまた伝説へというお話。

 封じられた仙女の覚醒の話というと、金蓮花の「月の系譜」シリーズを読んだことがあったので、終始、あれと似てるなーとしか思わなかった。雰囲気もなんとなく似ているような。
 投稿作ということで、事件が「覚醒」それのみであったから、余計に印象に残らなかったのかもしれません。この手の話が面白くなるのも、それぞれの話の個性がでるのも、「覚醒」の後ですからねえ。目覚めだけではなんとも判断のしようがない。この続きはあるのかな。

 そんなわけで、特にどうということもないのですが、一つだけ不満はあります。
 最初の「死」はどうしようもなかったのに、もう一つの「死」はなかったことにできるってどうなのか。一度切れた魂の緒はもう結べないって断言していたのに、全ての記憶を消して原因をなかったことにすれば、死すらなかったことになるっていうのはなあ。理屈はわからなくもないが、そんならいっそ、最初の死の記憶すらなかったことにすればいいんじゃないのか。物語の重大なきっかけを、最初の死に置いているだけに、次の死を簡単に消してしまったのは納得しづらい。
 ハッピーエンドなら全てよしとは思えなかった。どうせ原因を消すなら、最初の死から全部なかったことにするくらいの力業でいってくれたほうが、かえってすっきりしたかもなあ。

 と、思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ライトノベル
感想投稿日 : 2008年8月16日
読了日 : 2008年8月16日
本棚登録日 : 2008年8月16日

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