黒と茶の幻想 (Mephisto club)

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本棚登録 : 1394
レビュー : 232
著者 :
まえさん  未設定  読み終わった 

この本を初めて読んだのは、中学生か高校生のときで、
それ以来、屋久島は私の憧れの地となりました。
近日、いよいよ、屋久島へ行ってきます。
行く直前に、原点回帰ということで再読。

大学の同級生である4人の男女が、Y島を旅する物語。
旅の企画者である彰彦は、残りの3人に招待メールを送った。
”『美しい謎』持参のこと。”
今ではそれぞれに家庭を持ち、別々の場所で仕事をしている彼等。
太古の森を歩く中で、お互いに持ち寄った『美しい謎』を推理するうちに、
皆で共有する過去、自分自身の内側にある過去へと迷い込んでいく。
かつて恋人だった蒔夫が自分の親友を殺したのではと思う、利枝子。
なぜか紫陽花に恐怖を感じる、彰彦。
太古の森の中で死んだはずの女を見る、蒔生。
内気な性格が180度変わったきっかけに覚えのない、節子。
そして、4人の記憶の中に残る美しい女、憂理。
彼らは過去という森に潜む『美しい謎』を解き明かせるのか…。


皆思っていることをズバリと聞かないんですよ。
それは、この関係性を崩さないためのそれぞれの気遣いでもあり、
謎が解けたときに自分がどう振る舞うかを自分自身が畏れているからでもあるのです。
でも、外堀を埋めるようにじわじわと、一人ずつ、謎の核心に近づいていく。
それにより、少しずつ4人の心境と雰囲気が変わっていく。
4人の微妙なバランスで保たれている空気感が、臨場感たっぷりに伝わってきます。
4人がこの結末を迎えられたのは奇跡としか思えない。
非常に満足のできるラストです。
恩田作品には珍しい丁寧なラスト。笑

彼らが51歳になった時のスピンオフとか書いてほしいなー。
その時は、今回の旅のきっかけになった、
故郷でがんばっている潔も呼んでさ。
私は蒔生が再婚していない方に賭けるな。
利枝子の「しないで」に意外とやられているのでは。

レビュー投稿日
2014年6月22日
読了日
2014年6月22日
本棚登録日
2014年6月22日
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