フォローしている方のレビューを読んで、図書館で借りた。
異なる3つの国の3人の女性の生きざまが、最後により合わさっていく…まるで三つ編みのように…短いながらその凝縮された物語に引き込まれた。
著者のレティシア・コロンバニさんは、映画監督をされているだけあって、文字を追うだけで映像が浮かんでくる…インド、シチリア島、カナダそれぞれを包む大気まで想像してしまう。
インドの話は、先日ラジオで「インドのトイレ事情」を聴いたばかりだった。
モディ首相は、全土にトイレを設置する「クリーン・インディア」キャンペーンをぶち上げた(そもそも、インドのトイレ事情ってそんななの?ってびっくりだったが)
実際にトイレが設置された村もあるそうだが、利用する人が極端に少ないという。その理由は、ダリッド(不可触民)の仕事を奪うから。
この物語のインドの主人公スミタが、まさにその仕事に代々従事させられているダリッドだ。
ラジオの情報だけではピンとこなかったが、そういうことなのかと腑に落ちた。
ラジオでは、女性は夜明け前に連れだってどこかに用を足しに行く…もちろん襲われる危険があるからで、用を足すのは1日それ1回きりだという。1日1回って、病気になってしまうのではと思うが、取材した女性は「皆そうだし、体が慣れている」と言ったらしい。
3つの国の話が交互に語られるが、インドの物語が圧倒的に印象が強い。
日本のジェンダーギャップ指数もかなり低いが、それとは比べる基準が違うのだということを思い知らされた。
2020.8.30
- 感想投稿日 : 2020年9月4日
- 読了日 : 2020年8月30日
- 本棚登録日 : 2020年4月1日
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