山形ガールズ農場! 女子から始める農業改革

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年3月10日発売)
3.76
  • (5)
  • (11)
  • (7)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 91
感想 : 14
3

近頃、農業に興味があり、何故農業は儲からないのか?儲かっているひとは何を行っているのかを知りたくて、その参考になればと読んだ。

この山形ガールズ農場が儲かっているのか?というところまでは明確には書かれていなかったが、少なくとも成功はしている。

農家が儲からない原因は流通のシステムにあるとしている。
流通をやる側は、ものづくりをしている人たちのサポーター、パトロンにならなければならない。いいものが作られたなら、それがしっかりと市場で評価される仕組みがあってこそ、作り手は安心してものづくりにこだわれる。
しかし、現在はその機能がなく、流通業者のいいようにされている。

そこで必要になるのが、農家が自ら経営を行うこと。
ただ流通業者にできた野菜を流すのではなく、自分で自身のある野菜であるのならばそれの付加価値を示す。直接、消費者にアピールするもよし。
農家が生産を行うだけではなく、販売までを一貫して行うことが重要とある。
でも実際に、農家を営んでいる人は、農業は得意であっても、経営は進んで行わない。

いくつかの農家が集まって企業化すれば、会社にしてしまえばいいのにと考えたりもする。そうして農機具の共有化、経営担当者(社長)を作ってしまえばいい。
でも、まぁ、つくる野菜によって農機具も違うだろうし、自分の農地では自分の好きな物を作りたい、ってひともいるだろうから、そうそうはまとまらないのかもしれない。

山形ガールズ農場は経営を行っている。自分達に売込みに出たり、野菜BOXなどの商品も考えて販売している。
そういったことを行っている会社の社長が一個だけ年上の女性というのが素直にすごいな。

個人的に新しいサービス「ガールズ農業メイド農園」はなかなかにして面白いと思った。
お客に農園を貸して、お客の要求する野菜を栽培〜管理などまでも山形ガールズ農業の従業員が行い、収穫時期になったらお客が行う。もちろん、栽培などもお客が行うことも出来る。
お客の要望通りにガールズ農業の従業員が農園を作って行く、まさに従業員はお客のメイド。故にメイド農園。
もうこうなると農業とリアルシミュレーションって感じがする。ユニークで面白い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 農業
感想投稿日 : 2012年9月5日
読了日 : 2012年9月5日
本棚登録日 : 2012年9月5日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする