Creative Code: Aesthetics + Computation
- Thames & Hudson (2004年10月30日発売)
ジョン・前田の本は、コンピューターを使ったデザインの面白さと可能性をいつも感じさせてくれていた。
次の方向性としてジョン・前田が実践していた、モニターの中だけでなく、実際のリアルな空間での試みなんかは、リアルに表れたものの中にも、やっぱりコードの生み出す、今迄に見た事のないビジュアルや、形態やインターフェースが溢れていて、旧来のデザイン手法と、コードまでを操れるデザインの違いを、その発想の鮮やかさとともに見せつけてくれた。
だけど、その鮮やかさは本書では、失速し精彩を欠いている。
また、彼の作品とともに、様々なアーティストの作品と紹介もこの本にはおさめられており、色々な表現を見ることができる。でも、肝心のコードが操れる自由さとデザインの関係、その発展がやっぱり、見えてこない。
それぞれの作品で出てくる図像は裏で動いてる設計思想、コードは違うんだろうけど、その出力は同じ表現の反復にしか見えない。結局、手では出来ないランダムさとか、反復をやってくれるのがコンピューターの役割なのだろうか。
でも、コードをいじれるってことの可能性はそれだけではないはずなんだ。
コードを自由に操ることで、今迄のインターフェースが、旧来とは別の表出と結びつく面白さや意外さ。コードから作り出すってことは、まったく別の感覚を僕らにもっとと見せてくれるはずなんだ。
21世紀のバウハウスを目指すと、本のラストに書いてあったけど、それなら、もっとコードって考えを中心にプログラミングから、言語や経済モデル、などその他の領域も巻き込んで、もっと新しいデザインのあり方や、作り方、考えを、提示出来るのではと思う。せっかく、MITのメディアラボにいるんだから。「全ては建築へ」から、「全てはコードへ」ていう感じで。
以前出版された、Maeda@Mediaとか、DBNの方が、新しい流れや考え方を感じられて、お勧め。
- 感想投稿日 : 2006年4月4日
- 本棚登録日 : 2006年4月4日
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