絶望死 労働者階級の命を奪う「病」

  • 朝日新聞出版 (2021年3月19日発売)
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感想 : 8
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ちまたで最近聞く「親ガチャ」という言葉を思い出しました。(好きな言葉ではありませんが)
自分も子供の頃は「どうしてこの人が親なのか」とか「何でこんな家に産まれたのか」などとよく考えたものでした。(しかしここに出てくる子供たちやかつて子供だった人よりは自分は数倍も恵まれていました)
確かにどういう家に産まれたのかや、産まれ順、裕福であるかどうかにかなり左右される育ちによりその人の人生の大部分が決まってしまうというのはあると思います。
どういう人やチャンスに廻り合い、それを活かしていけるか、個人ではどうにもできない事情も大きいとも思います。
最終章で語られるアンというジャーナリストがある出会いにより人生を大きく変えるきっかけを得たエピソードは、自分にも似た体験がありとても心を揺さぶられました。
同じ章に「運任せ、つまり誕生の宝くじだった」という言葉がありますが、誕生の事情の如何に関わらず生きたい人生を選べる社会であればいいのにとつくづく思います。日本であれアメリカであれ、そういう社会には程遠く今のところ実現できると思える希望を抱くには至りませんでした。
アメリカの医療事情も衝撃でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2021年9月23日
読了日 : 2021年9月22日
本棚登録日 : 2021年9月22日

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